
「犬のふんで道が汚され、もう我慢できません。自分のペットの排せつ物は自分で片付けるのが当然でしょう」。こう語るのは韓国全羅北道全州市の50代住民だ。犬の散歩で公園や住宅街に放置される大小便、リードでつないでいない大型犬など、ペットマナーの欠如が韓国で社会問題化しつつある。
11日午後、記者が訪れた全州市完山区の公園には、陽気に誘われて多くの市民が散していた。愛犬連れが目立ったが、その多くは排せつ物を放置したままだった。犬がふんをしていても、スマートフォンに夢中になるか、見て見ぬふりをするか。マナーの著しい低下が見て取れた。
一部の飼い主は体重20キロを超えようかという大型犬をリードから放し、他の来園者を驚かせた。
散歩中の40代住民は「気持ちよく散歩しているのに、道に落ちたフンを見るとストレスがたまる」と語った。近隣の住宅街では「犬のフン禁止」「飼い主マナー順守、常時取り締まり中」と書かれた看板が多数ある。だが、効果は出ていないようで、「過料の警告文なんて意味がない」と言う声もあった。
全州市はペットの排せつ物放置に対し、1回目5万ウォン(約5000円)、2回目7万ウォン(約7000円)、3回目以降10万ウォン(約1万円)の過料を科している。リード未着用も1回目20万ウォン(約2万円)、2回目30万ウォン(約3万円)、3回目以降は最大50万ウォン(5万円)の過料だ。
しかし、全州市の関係者は「通報を受けて現場に駆けつけても、当事者が立ち去った後というケースがほとんど。取り締まりの人員も4人しかおらず、実効性を持たせるのは難しい」と明かした。
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