2025 年 6月 4日 (水)
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韓国・大統領選目前に全国の裁判官が会議…「李在明事件」議論は先送り

2025年5月26日、京畿道高陽市の司法研修院で開かれた全国法官代表会議=共同取材(c)news1

韓国の次期大統領選を目前に控えた5月26日、京畿道高陽市の司法研修院で、各級裁判所を代表する裁判官による「全国法官代表会議」が開催された。大きな注目を集めながらも明確な結論を出さず終了した。

主要議題として取り上げられていた、「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)候補の公職選挙法違反事件に関する議論は、採決がなされないまま、大統領選後に改めて討議する方針が示された。

今回の臨時会議は、開始前から手続き上の問題や会議開催の妥当性を巡る批判にさらされた。特に、大統領選まで約1週間という時期に、政治的に敏感な議題を扱うこと自体が「選挙に影響を与える可能性がある」として問題視された。

全国法官代表会議は同日午前10時から約2時間にわたり開かれ、運営委員会が発議した「裁判の独立性の確認」や「特定事件における異例の手続き進行が司法への信頼を揺るがした」といった議案が取り上げられた。これらの議案はイ・ジェミョン氏の事件を暗示していると受け止められ、事実上、同事件が会議の中心的議題であることが明らかになった。

会議ではイ・ジェミョン氏の事件に関する追加議案も提出されたが、採決は見送られ、今後の会議で補足討論をする予定だという。次回の会議日程は、大統領選後に構成員の意見を踏まえて決定される。

手続き面でも議論が起こった。会議開催のための事前投票では、規定の賛成人数に達しなかったが、運営側が投票期限を翌日に延長。最終的に必要人数を確保したものの、この対応が「定足数を満たすための便宜的な措置だった」として公正性を疑問視する声が上がった。加えて、反対票は70人と賛成の3倍近くに達した。

議案の公開方法にも不透明さが指摘された。運営委員会が報道資料で「特定事件における異例の手続き進行」という文言を省略して発表したことが判明し、会議の透明性に対する不信感が高まった。

こうした批判に対し、運営側は会議当日に追加で提出された議案を原文のまま公開し、「要約なしでそのまま提示した」と説明した。

司法界の一部からは、選挙期間中の会議開催自体に対する問題提起もあった。全州地裁のキム・ドンジン部長判事は23日、裁判所の内部掲示板に「選挙運動期間中の全国法官代表会議には多くの問題があるため、延期してほしい」との意見を投稿した。

一方、与野党もこの会議を注視。保守系の「国民の力」内の司法独立守護・独裁阻止闘争委員会は「裁判の独立性は自由と権利を守る最後の砦だ」として、会議の慎重な運営を求めた。

(c)news1

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