
韓国政府が12月8日からソウル・龍山にある大統領室(執務室)を順次、青瓦台へ移転させる。龍山の地元商人たちは「特に影響はない」と冷静に受け止めている。かえって、「早く移転してくれれば、デモの騒音もなくなってありがたい」と話す商人も少なくない。
龍山で10年以上食堂を営む60代男性は「大統領室の職員が食べに来なくなって久しい。今は“再生された路地”として若者に知られるようになって、平日の夜や週末には20~30代で賑わっている」と話す。実際、6日に取材した際も、かつて「旧商圏」と呼ばれた大口湯通りなどには若者客が目立った。
かつては大統領室の移転によって一時的に売り上げが増えた時期もあった。だが、ある60代男性商人は「その効果も半年も持たなかった」と回顧する。「今のこの界隈は、大統領室の職員が支えているような商圏ではない」と言い切った。
50代の女性飲食店主も「(職員たちが)外食しなくなったのは社内食堂ができたせいかもしれないし」と明かした。
また、龍山で焼肉店を営むある経営者は「売り上げが落ちているのは大統領室が引っ越すからではなく、経済が悪いから」とし、「2024年12月に当時のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が非常戒厳を宣言した以降、売り上げが半分以下に落ちた。むしろ早く引っ越してくれた方がありがたい。デモばかり増えて迷惑だった」と語った。
実際、多くの商人が「青瓦台への復帰によってデモが減ることを期待している」と口をそろえる。龍山のイメージが「大統領室のある場所」ではなく、若者が楽しめる「再生された路地」として定着することを望む声が多い。
30代のカフェ経営者は「弾劾当時は言うまでもなく、今でも大統領室に何か要求したい人はみな戦争記念館前でデモをする。騒音で観光客が敬遠するのではと心配だった」と語る。
また、大統領室近隣で営業する40代男性商人は「固定客だった職員が来なくなる分の売り上げは多少減るだろうが、それよりもデモがなくなり、騒音が消える方がありがたい」と話す。
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