韓国では卒業した大学の序列によって賃金格差が最大50%まで広がるという論文が、韓国経済学会の学術誌「経済学研究」2023年2号に掲載された。
この論文は1998~2000年の大学学科別修学能力試験の資料を活用し、まず143大学を5グループに分類。最上位グループであるAグループはソウル大学、延世(ヨンセ)大学、高麗(コリョ)大、梨花(イファ)女子大など16大学で、以下▽16大学をB▽C33大学をC▽29大学をD▽49大学をE――とランク付けした。
その結果、Aグループ卒業者は40~44歳の時、Eグループ卒業者に比べて50.5%多い賃金を受け取っていることがわかった。
さらにAグループ卒業者は、それぞれ▽Dグループ卒より39.7%▽Cグループ卒より27.8%▽Bグループ卒より12.8%――多くの賃金を受け取っていると集計された。
Aグループ卒とEグループ卒の賃金格差は45~49歳になると33.2%に減り、50~54歳には9.9%に、55~59歳では1.1%まで縮まっていた。
論文は「上位グループ卒業者が大企業に多く就職し、大企業であるほど長期勤続する可能性が高いうえに勤続年数に伴う賃金増加幅が高い」ことが格差の主因とみており、Aグループ卒業者は45~49歳で退職が本格化するため格差が次第に縮まると分析している。
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