韓国北東部に位置する江原道(カンウォンド)束草(ソクチョ)市の救急医療センターで、医療スタッフの退職が相次ぎ、救急室を週4日しか運営できない事態になっている。隣接市郡からの救急医派遣などを検討したが、逆に他地域で医療がひっ迫するおそれがあるため断られ、救急医療の空白が生じている。
市などによると、救急医療センターの救急医5人のうち2人が最近退職し、さらに1人が月内に退職を予定している。このため救急は木~日曜日の週4日となっている。
こうした事態を受け、道などは近隣市郡から順番に救急医を派遣することを検討したが、近隣市郡側が「逆に医療空白が生じかねない」と反発の構えを見せたたため、撤回を余儀なくされた。
救急医の相次ぐ退職は勤務条件・住環境への不満が原因とみられ、10日開かれた道の会議では賃金引き上げ案などが議論された。医療スタッフの世代が若くなり、生活を重視する傾向があるため、住環境も改善すべきだという意見もある。
束草市で2021年に救急医療を利用したのは2万5000人余り。新型コロナウイルスの防疫緩和で観光客の増加が予想され、この数はさらに増えるのは確実だ。
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