
韓国で過去6年間、国民年金の保険料徴収総額は30%近く増加したが、その大部分が「職場加入者」によって支えられており、「地域加入者」(主に自営業者やフリーランス)の納付額はむしろ減少傾向にある。特に首都圏への集中が顕著で、全国規模での財源構造の偏在が深刻化している。
国会保健福祉委員会所属のキム・ミエ議員(国民の力)が国民健康保険公団などから提出を受けた「2019~2025年 国民年金保険料徴収現況」によると、2024年12月時点の保険料徴収総額は60兆3066億ウォンで、2019年の46兆4678億ウォンから約14兆ウォン増加した。
このうち職場加入者による徴収額は、2019年の41兆3530億ウォンから2024年には54兆629億ウォンへと急増。一方で地域加入者は、同期間に5兆1148億ウォンから6兆2437億ウォンと、微増にとどまった。
結果として、徴収額全体に占める職場加入者の割合は2019年の89.0%から、2025年(8月時点)には90.6%まで上昇。地域加入者の割合は11.0%から9.4%へと縮小した。
地域別に見ても、ソウル市と京畿道の徴収集中が顕著だ。2025年8月時点で、ソウル市は12兆8949億ウォン、京畿道は10兆8859億ウォンで、両地域の合計は全国徴収額の56%を占めている。これに対し、全羅北道は1兆3534億ウォン、江原道は1兆597億ウォンと、地方との格差は約9~10倍に達する。首都圏の集中率は2019年の49%から、2025年には56%へと上昇した。
このような偏りは、年金制度の構造にも起因する。職場加入者は給与から保険料が自動的に天引きされ、事業主と労働者がそれぞれ4.5%ずつを負担して翌月10日までに一括納付する仕組みだ。一方、地域加入者は自身で申告した所得に基づき、全額(9%)を自ら納付しなければならず、負担が大きい。
そのため、職場加入者の滞納率は1%未満であるのに対し、地域加入者は過去5年間の平均で12~14%と大きく差がある。特に所得変動が大きい自営業者では、納付中断や滞納に陥るケースが頻発している。
また、企業が保険料の半額を負担する職場加入者と違い、地域加入者は全額自己負担となるため、制度的にも不利な立場に置かれている。このような構造的問題により、年金財政は「職場中心型」へと固定化され、地域基盤の脆弱化が進行している。
キム・ミエ議員は「地域間の所得格差が将来的に年金財政の格差に直結する恐れがある。地方での良質な雇用の創出と、地域加入者の納付基盤を強化することが急務だ」と主張した。
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