2025 年 12月 8日 (月)
ホーム社会韓国・国民年金、最高受給者は月31万円…平均の4.6倍、20年加入で11万円支給

韓国・国民年金、最高受給者は月31万円…平均の4.6倍、20年加入で11万円支給

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韓国で国民年金制度が導入されて約40年。月額300万ウォン(約31万8300円)超の老齢年金を受給する最高額受給者が登場した。一方で、全体の平均受給額は月約68万ウォン(約7万2150円)にとどまり、加入期間や納付額による格差が鮮明になっている。

韓国国民年金公団が11月28日に公表した「2025年7月時点の年金統計」によれば、最も多く年金を受給している人の月額は318万5040ウォン(約33万7842円)。これは平均受給額(67万9924ウォン=約7万2142円)の約4.6倍に当たる。

この高額受給者は、年金の受給開始を遅らせる「繰下げ受給制度」や長期加入などによって年金額を増加させたとみられる。

国民年金は、加入年数と納付額に応じて支給額が決定されるため、長期間加入した人ほど年金が多くなる仕組みだ。

加入期間20年以上(完全老齢年金)の受給者は、月平均112万539ウォン(約11万9059円)を受給しており、平均のほぼ2倍。10〜19年の加入者は、月平均44万2177ウォン(約4万6916円)にとどまっている。長期間、勤務先を通じて加入を継続し、保険料を途切れずに納付していれば、基礎生活保障を超える水準の年金を確保できることを示している。

受給額別の分布では、月20万〜40万ウォン(約2万1220〜4万2440円)の受給者が最も多く、217万人で全体(754万4930人)の28.7%を占めた。月100万ウォン(約10万6100円)以上を受給する人は約85万人、月200万ウォン(約21万2200円)以上は8万2484人にとどまっている。

国民年金の積立金残高は1304兆ウォン(約138兆3854億円)を超え、前年末から約91兆ウォン(約9兆6551億円)増加した。2025年7月までの運用収益は84兆1658億ウォン(約8兆9286億円)に上り、保険料収入以外の運用益が財政を大きく支えている。運用先の内訳を見ると▽海外株式:467兆ウォン(約49兆5484億円)▽国内債券:325兆ウォン(約34兆4982億円)▽国内株式:199兆ウォン(約21兆1113億円)――となっており、海外株式への投資額が国内株式の2倍以上となっている。

韓国では、少子高齢化の進行により国民年金の持続可能性に関する議論が活発化している。高齢期の生活設計に直結する年金制度に対する信頼を維持するには、加入者間の格差縮小や安定的な運用が今後の課題となる。

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