2025 年 10月 15日 (水)
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韓国・国家情報資源管理院火災は「予見された人災」…バッテリー残量超過・消防点検拒否

国家情報資源管理院現場に向かう国立科学捜査研究院の要員(c)NEWSIS

韓国政府の電算網を麻痺させた国家情報資源管理院(NIRS)火災の原因調査が進む中、今回の惨事が「予見されていた人災」だったことを示す事実が次々と明らかになっている。

バッテリー移設作業の際に「充電量30%以下で実施」という安全基準を破り、消防当局による火災安全点検も拒否していたことが確認された。基本的な手順さえ守っていれば防げた事故だったとの指摘が相次いでいる。

行政安全省やNIRSによると、火災原因の一つとして「バッテリーの過充電」が浮上している。NIRSのイ・ジェヨン院長は10月1日の国会行政安全委員会で「分離作業中の過失があったと考えるか」という質問に「その可能性がある」と答えた。

バッテリー業界のガイドラインでは、無停電電源装置(UPS)用リチウム電池を分離する際、充電量(SOC)は30%以下に下げて作業することが明記されている。だが、イ・ジェヨン院長によれば、実際に作業時のSOCは約80%だったという。LGエナジーソリューションの幹部も「出荷時は充電状態30%以下で納品している」と証言した。

専門家は「30%以下に下げていれば電気短絡による火災の可能性はほぼゼロだった」と指摘しており、基本原則の無視が悲劇を招いたと批判している。

安全管理の不備も明らかになっている。2024年5月、NIRSで実施された消防安全点検では「2~5階の電算室および保安区域での調査未実施」と記録されていた。イ・ジェヨン院長は「機器の誤作動を懸念して点検を制限したが、そうすべきではなかった」と謝罪した。

消防庁側も「保安区域との説明を受け実施できなかったが、どんな手段を使ってでも積極的に対応すべきだった」と述べた。

与野党双方からは「法に基づき点検していれば起きなかった事故」「最も基本的な安全管理の欠如による人災」との批判が噴出している。

問題のバッテリーは耐用年数10年を過ぎていたが、その事実を火災後に初めて把握したという。2024年6月に交換勧告が出ていたにもかかわらず、「あと1~2年使える」と判断して放置していたことが判明した。

専門家は「作業手順書を無視した明白な過失」「専門性の欠如した管理体制」が重なったと指摘する。

(c)NEWSIS

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