2026 年 4月 8日 (水)
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韓国・司法構造が再編…尹錫悦氏弾劾から1年、憲法裁の権限拡大

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2025年に韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領(当時)が罷免されてから約1年がたち、同国の刑事司法体系は大きく再編された。特に憲法裁判所の権限強化が際立つ一方で、最高裁の相対的な地位は低下し、検察は組織そのものが消滅する方向へと進んでいる。

最大の変化は、「裁判所の判決」に対しても憲法裁判所が再審査できる「裁判所憲法訴願(再審査制度)」の導入だ。これにより、これまで最終判断とされていた裁判所の確定判決であっても、基本権侵害が認められれば取り消される可能性が生じた。

従来、憲法裁判所は違憲審査や弾劾など主に憲法問題を扱う機関だった。しかし制度変更後は、個別事件における基本権侵害の有無まで直接判断する役割へと拡大した。法律家の間では「事件の最終到達点が最高裁ではなく憲法裁判所になった」との評価も出ている。

これに対し、最高裁の象徴的な権威は相対的に低下している。最高裁判決が必ずしも最終的な結論とはならない構造になったためだ。さらに、最高裁判事を14人から26人へ増員する法改正や、裁判所の行政組織の再編議論も進み、司法体制そのものが再設計の局面に入っている。

一方、検察制度は根本から変わる。政府組織法の改正により、検察庁は2026年10月に廃止され、起訴機能のみを担う「公訴庁」へと移行する。従来、検察が担っていた捜査機能は、新設される重大犯罪捜査庁へ移される。

この新機関は、汚職、経済犯罪、防衛産業、麻薬、内乱・外患、サイバー犯罪の6大重大犯罪を担当し、警察とともに捜査を担う。一方で、公訴庁の検察官は起訴や公判維持、令状請求などに専念する仕組みとなる。

ただし制度改編はまだ途上にある。警察や新設機関から送致された事件に対し、検察官がどこまで補完捜査をできるかなど、詳細な運用は今後の刑事訴訟法改正で決まる。

今回の一連の改革により、韓国の司法システムは「憲法裁判所中心」へと大きく軸足を移しつつある。権力分立のバランスや司法の独立性をめぐる議論は、今後さらに活発化するとみられる。

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