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韓国の大学入試制度で2026年度の医学部定員増加が見込まれる中、首都圏の大手学習塾街が活気を帯びている。特に、名門大学に既に合格しながらも医学部進学を目指し再受験を決意する受験生が増えており、業界は「今年のN(浪人)受験生は20万人を超え、2001年以来最多になる」と予測している。
ある学習塾関係者は「ソウルにある主要予備校では、受験生の85%が理系で、ほぼ全員が医学部を志望している」と明かす。学習塾のロビーには過去の「医学部合格者のインタビュー動画」が映し出されており、受験生らは「来年は自分たちもこの映像に出よう」と意気込んでいる。
医学部再受験組の中には、一度、名門大学に合格した受験生もいる。ソウル市陽川区(ヤンチョング)のユさん(19)は「ソウルの名門大学の工学部に合格したが、入学しなかった。再受験は必須で、三浪は選択肢だ。医学部定員が増えるならば、挑戦する価値がある」と話す。
予備校では、医学部定員増加に関する保護者からの問い合わせが相次いでいる。「本当に定員は増えるのか?」「合格ラインはどのくらい上がるのか?」といった質問が目立つという。ある予備校関係者によると、週末医学部コースの募集枠は既に満席だという。
政府と医療業界の協議が続く中、2026年度の医学部定員は、一般入試(定時選考)で約400人増える見通しだ。
予備校業界では、医学部定員増加が浪人生の増加に大きく影響していると見ている。韓国の大手進学塾「鍾路学院」のイム・ソンホ代表は「昨年、医学部定時選考の出願者数が800人増加したことからも、医学部人気の高さがわかる」と指摘した。
鍾路学院によると、昨年のソウル大学の定時合格者の60%が浪人生だった。また、三浪以上の合格者は330人で、全体の21%を占めた。これは2016年度以降で最も高い割合だ。
イム代表は「医学部を目指す三浪以上の受験生が増えているのは明らかだ。医学部定員増加により、高得点の再受験生や医学部志望の受験生の間で競争が激化している」と分析している。
(c)news1