2026 年 1月 25日 (日)
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韓国・医学部定員増の議論、「大学」から「地域」へ軸足…教育インフラ整備が課題

1月6日午後、ソウル市中区で開かれた第2次保健医療政策審議委員会(c)news1

韓国政府が2027学年度以降の医学部定員増分をすべて「地域医師制」で選抜する方向を固める中、保健医療政策審議委員会が検討するシナリオに注目が集まっている。議論の単位が、従来の「大学」から「地域」へ移ったためだ。

保健福祉省によると、同委員会は個々の大学への定員配分を直接扱うのではなく、地域単位で必要な医師総量と配置原則を定める点に重点を置く。これまでの定員議論は、各大学の教育環境や教員確保の可能性を基準に配分する枠組みだったが、地域医師制の全面適用により、設計思想が転換した。

医師需給推計委員会の中長期見通しでは、2040年時点の医師不足は最小で約5700人、最大で約1万1100人と見込まれる。地域医師の輩出が始まる2037年以降に単純換算すると、年500~1000人規模の追加供給が必要となる計算だ。こうした前提の下、地域別にどれだけの医師を育成し、どこへ配置するかが論点となる。

政府は、特定の大学を前提に定員を割り振るのではなく、地域で束ねた大学群を軸に「どの地域に配置する医師を、どの地域の大学が育てるのか」という原則を設定したという。地域医師の総量と配置原則は同委員会で定め、同一地域内の大学間の配分は教育環境を踏まえて教育省が調整する想定だ。結果として、大学間の増員競争よりも、地域完結型の育成・配置構造をどう描くかが焦点となる。

一方、非首都圏の拠点国立大を中心に地域完結型を構築する案と、首都圏を含む全国の医学部を活用して分散育成する案とでは、地域ごとの需給安定性が異なるとの見方も出ている。

ただし、地域単位の総量を決めても、大学ごとの負担が自動的に解消されるわけではない。すでに昨年の増員分と復学生が重なり、教育環境が限界に近いとの指摘がある。教員確保や臨床実習の受け皿など、各大学の受容力が最終配分の大きな変数となりそうだ。

(c)news1

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