韓国の国政監査で、大学医学部の教育環境に関する問題が議論される中、教育に対する医療界の不安が高まっている。特に、解剖学実習を駐車場でするという発言が波紋を呼んでいる。
大韓医師協会のイム・ヒョンテク会長は20日、自身のSNSで「国立大学の総長が解剖学実習を駐車場でやると軽々しく話している。これは、遺体を寄贈してくださった方々に対しても失礼だ」と批判した。
この発言は、18日に開かれた国会教育委員会の国政監査で、忠北大学のコ・チャンソプ総長が「駐車場に仮設教室を設置し、授業をする予定だ」と述べたことを受けたものだ。
忠北大学医学部は、現行の49人から来年度には125人、さらに翌年には200人に増員される予定だ。だが、これに対して教授陣は「教育が不可能だ」と反発している。しかし、コ・チャンソプ総長は「可能だ」として韓国政府の増員政策を支持しており、これが教授陣との対立を生んだ。
また、医学部の教育は理論だけでなく実習が不可欠であり、教育環境の不備が医療の質を低下させるとの懸念が高まっている。
全国の医学部教授らも、政府の増員計画に対して「未熟な医師が量産される恐れがある」と批判を続けている。21日には、全国医学大学教授非常対策委員会がセジョン(世宗)市の教育部前で抗議集会を開き、政府の行動を強く非難した。
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