2025 年 9月 8日 (月)
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韓国・前ファーストレディー特別検察、旧統一教会総裁ら狙い撃ち…「教団コネクション」捜査分水嶺

世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)のハン・ハクチャ(韓鶴子)総裁(c)news1

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏を巡る疑惑を捜査中の特別検察チームが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)のハン・ハクチャ(韓鶴子)総裁と、野党「国民の力」のクォン・ソンドン(権性東)議員を中心に据え、捜査を本格化させている。

特検は7月2日に活動を開始し、9月末で基本捜査期間90日を迎える。ハン・ハクチャ総裁とクォン・ソンドン議員に対する召喚調査や身柄確保が、捜査前半戦の成否を左右する分岐点になるとみられる。

特検チームは教団側からの政治工作・資金提供疑惑と関連し、11日にハン・ハクチャ総裁を召喚する方針だ。当初8日に呼び出したが、ハン・ハクチャ総裁が心臓治療を理由に入院し、不出頭理由書を提出して延期された。ハン・ハクチャ総裁は特定犯罪加重処罰法上の斡旋収賄や政治資金法違反などの容疑を受けている。

特検は、かつて教団の「ナンバー2」とされた元世界本部長のユン・ヨンホ氏が、ハン・ハクチャ総裁の承認を得てキム・ゴニ氏やクォン・ソンドン議員に教団の懸案を働きかけたとみて、ハン・ハクチャ総裁を「疑惑の頂点」と位置づけている。すでにキム・ゴニ氏の起訴状にも、ハン・ハクチャ総裁の指示で教団側が大統領選候補と接触した経緯が盛り込まれている。

2022年1月、大統領選を2カ月後に控えた時期に、ユン・ヨンホ氏がソウル・汝矣島の飲食店でクォン・ソンドン議員と会い、1億ウォンの政治資金を渡したことも、ハン・ハクチャ総裁の決裁によるものとされる。クォン・ソンドン議員はユン前大統領の最側近とされてきた人物だ。さらに、同年4月に「キム・ゴニ氏へ就任祝いの贈り物をする」との報告をハン・ハクチャ総裁が承認したことや、教団信者による「国民の力」党への集団入党疑惑も浮上している。

ハン・ハクチャ総裁を巡っては政治工作のほか、2008〜2011年に米ラスベガスで教団幹部らと計600億ウォン規模の賭博をしたとの海外遠征賭博疑惑もある。特検はクォン・ソンドン議員が教団側に警察捜査情報を漏らしたとみている。

ハン・ハクチャ総裁は8月末、「クォン・ソンドン議員への働きかけ疑惑は虚偽」と否定し、「違法な政治的依頼や金銭取引を指示した事実はない」と初めて公式に表明した。一方で、検察出身弁護士を中心に防御チームを整え、ソウル峨山病院で心臓手術を受けるなど特検捜査に備える姿勢を示している。

(c)news1

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