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韓国で、冬の大雪と寒波の影響で、白菜や大根などの冬季野菜の生産量が減少し、価格が急騰している。イチゴやミカンといった旬の果物も値上がりしており、消費者の買い物負担が増大している。気候変動による果物の供給不安が続く中、比較的安価な冷凍果物に注目が集まり、輸入量が過去最高を記録するなど、食の消費パターンにも変化が見られる。
韓国農水産食品流通公社(aT)によると、2月27日現在、大根1本の小売価格は3209ウォン(約330円)となり、前年同日比で78.58%(1797ウォン=約185円)上昇した。前月と比較しても5.35%の値上がりとなっている。白菜1株の価格も5197ウォン(約534円)で、前年(3815ウォン=約393円)比36.23%、平年(4110ウォン=約423円)比26.45%の上昇が確認された。
その他の野菜も価格高騰が続いており、ニンジンは1kgあたり5402ウォン(約556円)と前年比34.55%増、ブロッコリーも2421ウォン(約249円)で11.77%の値上がりとなった。
白菜と大根の価格高騰の背景には、昨年の猛暑に続き、最近の大雪・寒波の影響がある。韓国農村経済研究院によると、昨冬の白菜の栽培面積は前年より4.5%減少し、大根も6.1%減少した。
このような状況の中、果物の価格も依然として高い。イチゴ(100g・商品グレード)の小売価格は1645ウォン(約169円)と、前月(2282ウォン=約235円)比で27%下落したものの、平年(1411ウォン=約145円)と比較すると16.5%高い水準となっている。
特にミカンの価格上昇が顕著で、露地ミカン10個あたりの価格は6606ウォン(約680円、2月19日時点)となり、平年(3056ウォン=約315円)比116%の急騰を記録した。異常気象の影響で、旬の果物が高値となっている。
物価高騰の影響で、消費者は高価な果物の代替として比較的安価な輸入果物や冷凍果物に目を向けている。
韓国農村経済研究院によると、2024年の12大主要生鮮果物の輸入額は14億4700万ドル(約2176億円)となり、前年(12億500万ドル=約1809億円)比20.1%増加した。これは過去最大だった2018年の輸入額(13億3200万ドル=約2004億円)を8.6%上回る記録だ。
また、冷凍果物の輸入量も過去最高を記録した。生鮮果物に比べて相対的に安価な冷凍果物は、物価高騰の中で価格競争力を持ち、需要が拡大している。韓国関税庁の貿易統計によると、2024年の冷凍果物の輸入量は7万9436トンとなり、前年比約25%増加した。
韓国農林畜産食品省関係者は「冬季野菜の生産量が減少したことで、旧正月後の需要減少にもかかわらず価格が高止まりしている。消費者の負担を軽減するため、大手・中小スーパー、ローカルフード直売所、オンラインモールなどの大規模販売店での割引支援期間を3月まで延長する」と述べた。
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