2025 年 12月 7日 (日)
ホーム社会韓国・公立病院患者の半数が高齢者、医療給付層も8割超…「赤字は社会的責務」制度化求める声

韓国・公立病院患者の半数が高齢者、医療給付層も8割超…「赤字は社会的責務」制度化求める声

京畿道提供(c)news1

韓国の公立病院で診療を受けた患者の約半数が65歳以上の高齢者で、10人中8人が医療給付対象者または健康保険料最下位層(1分位)であることが分かった。患者数では全国医療機関の20分の1に過ぎない公立病院に、医療弱者や高コスト患者が集中している現実が明らかになった。これにより、公立病院の慢性的な「善意の赤字」は制度として容認されるべきだとの指摘が出ている。

国会保健福祉委員会所属のキム・ユン議員(共に民主党)が国民健康保険公団から提出を受けた「2020〜2024年の診療状況」資料によれば、2024年に全国の医療機関(上級総合病院・総合病院・医院など)で診療を受けた医療給付対象者は161万人、健康保険料下位10%(1分位)層の患者は321万人だった。合計で482万人に達し、2020年の452万人から5年間で約30万人増加している。

この間、診療件数も5684万件から7290万件へと28%増加。医療給付対象者の診療費総額は2020年の7兆6000億ウォンから2024年には10兆1000億ウォンに増加したが、患者が直接負担したのはわずか3121億ウォン(3%)で、残りの9兆8000億ウォン以上は公的財源が充てられていた。

年齢別では、高齢者への集中がより顕著になっている。70歳以上の患者は、2020年の14.5%から2024年には20.7%に上昇。患者数も70代が27万人から42万人へ、80歳以上は15万人から25万人へと、それぞれ52%、59%増加した。

公立病院での傾向はさらに極端だ。2024年、全国63の公立病院で診療を受けた医療弱者は21万8000人で全体の20分の1に過ぎなかったが、入院患者の42%(2万3000人)、外来患者の45%(9万2000人)が65歳以上だった。中でも保険料1分位の層に限ると、入院患者の57%(3万9533人)、外来患者の51%(24万5707人)が65歳以上で、全国平均(70歳以上20.7%)の2倍以上となっている。

外来患者では、40~64歳の活動年齢層も36%(8万9521人)を占めているが、それでも過半数は高齢者だった。入院患者では高齢者が絶対多数を占めており、病床や医療人材が必然的に高コスト層に集中する構造となっている。とくに2023年以降、外来高齢患者が12万人から12万6000人へと増加し、公立病院の財政負担が拡大している。

疾患別では、高コスト・高リスク患者の集中が明らかだ。2024年時点で最も多かったのは抗がん治療や透析などの「その他の医学的管理」患者(1765人)、次いで肺炎(1488人)、肺がん(1091人)、慢性腎臓病(1039人)、糖尿病(937人)、脳梗塞(900人)、肝がん(883人)、狭心症(847人)、心不全(681人)などが続いた。コロナ禍の2021年・2022年には、「緊急使用コード」患者がそれぞれ5292人、7050人に上り、単一疾患として最多となった。

外来患者も慢性疾患中心で、2024年の患者数は糖尿病が1万2000人、慢性腎臓病7900人、脳梗塞7000人、狭心症6800人、前立腺肥大症6300人、歯周病5300人、てんかん4500人、慢性肺疾患4000人など。糖尿病患者は過去5年で毎年1万1000人以上、腎不全は7000人以上、脳梗塞は6000~7000人が継続的に受診している。

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