1日に約100本の電話がかかってきて、1日1日が地獄でした――2022年、韓国京畿道金浦市(キョンギド・キムポシ)地域のカフェ(オンラインコミュニティイサイト)に身上がさらされた経験がある市職員はnews1の取材に当時の状況を思い出し、こう語った。
職員は2021年に建築許可が下された金浦「九来洞(クレドン)データセンター建設事業」を担当した主務官だ。九来洞データセンターは延べ面積9万5051平方メートルの規模で、15万4000Vの高圧線が敷設されると知られ、「電磁波の被害」を心配する住民から激しい反発を買っている。現在、データセンターは施工会社の着工遅延要請で建設作業が止まっている。
金浦地域のオンラインカフェのある会員は当時、この職員の実名や内線電話番号などを公開した。カフェの会員たちに「データセンター建設反対のための抗議」を促すためだ。
書き込みは「データセンター、高圧線関連金浦市庁担当者に必ず電話してみてください」というタイトルで2022年10月ころにアップされた。そこには「苦情対応の言葉遣いや態度がなってない。道義的責任も全く感じられませんでした」と書かれ、「うまくしゃべれる方々、抗議の電話をお願いします」と記されていた。
この投稿に同調したカフェ会員らは「金浦公務員を一掃する必要がある」などのコメントを付けただけでなく、この職員のほか、この事業と関連した他の職員4人の実名と内線電話番号も記された。
職員によると、業務が始まる午前9時から電話が鳴るたびに手が震えたという。
「毎日、罵詈雑言が飛び交う。暴言に苦しめられ、自尊心と自信を失い『なぜ生きているのか』という思いにもなった。苦しみの中で1日を耐えるしかなかった」
1月1日の人事移動で、職員は他の部署に移った。
金浦市の別の職員(30代)も先月29日からこのカフェに個人情報がさらされ、悪質な苦情に苦しめられた。そして5日午後、仁川市西区(インチョンシ・ソグ)に駐車車両の中で死亡しているのが見つかった。
市は精神的負担から自殺をしたと見て、このカフェ会員らを告発する準備を進めている。
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