2025 年 9月 16日 (火)
ホーム社会韓国・人気気象キャスターの1周忌にMBC「気象キャスター廃止」発表…遺族「二度殺す行為」強く反発

韓国・人気気象キャスターの1周忌にMBC「気象キャスター廃止」発表…遺族「二度殺す行為」強く反発

オ・ヨアンナさんの母チャン・ヨンミさん(c)news1

職場でのいじめにより2024年に命を絶った韓国の気象キャスター、オ・ヨアンナさんの1周忌にあたる9月15日、韓国の地上波放送局MBCが「フリーランス気象キャスター制度を廃止し、気象気候専門家を正社員として採用する」と発表した。これに対し遺族や市民団体は「故人を二度殺す行為だ」と強く反発した。

MBCは「年末または来年初めに公開採用を実施し、既存のフリーランス気象キャスターも応募できる」と説明した。しかし遺族と市民団体は「発表は故オ・ヨアンナ氏の労働者性を全く認めていないということだ」と批判。「母親が第2のオ・ヨアンナを防ぐため正規職化を求めて断食しているのに、その結果が同僚たちをMBCから切り捨てることにつながっている」と訴えた。

また、MBCが追悼式に合わせて発表を出したことについて「遺族と市民社会を無視し、欺いた」と非難した。

15日午後7時、オ・ヨアンナさんの母チャン・ヨンミさんと市民団体はソウル市麻浦区上岩のMBC前で追悼式を開催した。チャン・ヨンミさんはすでに8日間の断食を続けており、「ヨアンナは先輩キャスターのいじめに苦しみ、MBC幹部に訴えたが無視された。もし正社員だったなら、職場内いじめ禁止法の保護を受け命を落とさなかった」と語った。そして「第2の悲劇を防ぐにはキャスターを正社員にすべきだ」と強調した。

遺族側はMBCに対し▽公式謝罪と再発防止の表明▽名誉回復と処遇改善▽非正規雇用構造と労働条件の改善▽社内真相調査結果の公開――を要求している。

同日午前、MBCのアン・ヒョンジュン社長が約30分間、座り込みの現場を訪れ「健康が心配だから断食をやめてほしい」と述べた。しかし「雇用労働省が労働者性を認めていない状況では会社としてできることはない」と答え、気象キャスターの正規職化についても「契約が年末に終了するため、再契約時期に合わせて制度を検討する」と事実上拒否した。非正規職全数調査についても「現在進行中であり結果を見て判断する」と述べるにとどまった。

遺族は「会社は実質的な解決策を何も持ってこなかった」「労働省の背後に隠れて責任逃れをしている」と反発している。

(c)news1

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