2025 年 10月 28日 (火)
ホームエンターテインメント韓国・人気アニメの聖地なのに、日本人・中国人の客に「言葉の壁」…中央博物館に「言語対応不十分」批判

韓国・人気アニメの聖地なのに、日本人・中国人の客に「言葉の壁」…中央博物館に「言語対応不十分」批判

国立中央博物館で開催された「2025 国立中央博物館仮装コンテスト」に出演したインフルエンサー(c)NEWSIS

米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)で話題となった韓国アニメ映画「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」の人気を受け、作中の舞台として描かれた国立中央博物館(ソウル市)が新たな“聖地”として注目されている。だが、同館を訪れる日本人や中国人観光客に対する展示解説の言語対応が不十分であることが明らかとなり、文化観光インフラの課題が浮き彫りとなっている。

韓国文化体育観光省が運営する観光統計データによると、2025年1〜8月の間に韓国を訪れた外国人観光客のうち、日本、中国、台湾の3カ国・地域の出身者は全体の約58.8%(約728万人)を占める。

特にKPOPガールズ! デーモン・ハンターズの影響で、国立中央博物館にはアニメファンをはじめとする多くの観光客が詰めかけている。

だが、展示の解説がハングル(韓国語)と英語に限られている場合が多く、日本語や中国語に対応していない箇所も少なくない。来館者は展示物の内容を深く理解できないまま、視覚的な印象に頼って観覧せざるを得ない状況にある。

中国からの留学生は「韓国人の友人と一緒のときは説明を理解できたが、一人で来ると情報が乏しく物足りない」と語った。また、日本から訪れた観光グループも「英語ができない仲間は、説明の理解に苦労していた」と話す。

現在、同博物館のウェブサイトでは日本語・中国語の選択が可能だが、展示物ごとの詳細解説までは対応していない。館内の解説プレートやパンフレットにおいても、日本語や中国語による情報提供は限定的だ。

同じく人気の観光スポットである「国立古宮博物館」も同様の問題を抱えており、英語以外の言語対応は極めて限定的。特にドイツ語・フランス語・スペイン語といった他の主要言語の情報提供は事実上皆無に等しい。

文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「来場者はアニメだけを目当てに来ているわけではなく、展示を通じて韓国文化の理解を深めたいと考えている。言語の壁を取り除けば、より深い文化体験につながる」と話す。

(c)NEWSIS

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