2025 年 11月 11日 (火)
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韓国・中学生の進学戦略に変化…内申5段階制・高校学点制の導入で強まる「規模重視」傾向

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韓国で今年から全国的に施行された「高校学点制」や「内申5段階制」の影響により、中学生の高校選びに大きな変化が起きている。より多くの生徒数を抱える「大規模高校」への進学を希望する傾向が顕著となり、学区外の高校への進学を志す生徒が増加している。

たとえばソウル在住のある保護者は、中学3年生の娘の高校選びに悩んでいるという。自宅近くには800人規模の高校が2校あるが、内申評価で不利になることを懸念し、交通機関で20~30分かかる他地域の大規模高校への進学も検討している。

教育関係者によれば、5段階制では10%以内が「1等級」とされ、以前の9段階制より等級獲得が困難になった。このため、学年全体の規模が大きく、相対的に競争が緩やかになる高校を選ぶ動きが強まっている。

とりわけ最上位層にとっては、依然として科学高校や外国語高校などの「特性化高校」や自主設立高校(自律型私立高校)への進学が有利とされる。これらの学校では試験の難易度が大学入試に近く、内申と受験対策を同時に進められるという利点がある。

ソウル市教育庁によると、2025年の江南区の中学生数は1万8035人で、11年ぶりの最多を記録。過去5年間で約10%増加した。他方で、ソウル全体の中学生数は4.8%減少しており、江南区を含む一部地域への生徒集中が進んでいる。

一方、生徒数の減少が著しい自治体では、学校の存続や教育環境の維持に向け、地元高校の入学説明会や進学相談会を積極的に開催している。中学生数が2桁減となった区には、中区(17.9%減)、聖水区(15.0%減)、龍山区(14.5%減)などがある。

一部保護者の間では「少しでも内申を有利に」として遠方の高校進学を望む声もあるが、専門家は慎重な対応を求めている。ソウル市教育庁研究所のユン・テヨン研究員は「学習進度に応じた教育課程が整備されているか、科目の選択権が保障されているかが重要。必要な授業は連携校やオンラインで補えるため、通学の負担を無理に増やすべきではない」と語った。

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