
韓国の世帯平均資産が2025年、5億6678万ウォン(約6007万円)となり、前年に比べ4.9%増加したことがわかった。不動産価格の回復が資産増加を主導した一方で、負債も同時に増え、世帯当たり平均借入金は9534万ウォン(約1010万円)に達した。
この結果は国家データ庁・韓国銀行・金融監督院が共同で実施した「2025年家計金融福祉調査」によるもの。調査時点は同年3月末で、不動産を含む実物資産の平均は4億2988万ウォン(約4557万円)、全体資産の75.8%を占め、前年より0.6ポイント上昇した。
負債を除いた純資産は4億7144万ウォン(約4997万円)で、前年より5.0%増加。金融負債は平均6795万ウォン(約720万円)と緩やかな増加(2.4%)にとどまったが、全体の負債を押し上げたのは「賃貸保証金」を中心とした不動産関連負債だった。賃貸保証金は平均2739万ウォン(約290万円)で、前年比10.0%の急増。これは2012年に統計が始まって以来、最も高い。
国家データ庁のキム・ヒョンギ福祉統計課長は「住宅のみならず商業施設の保証金も含まれており、家賃世帯の増加も全体の保証金を押し上げた。臨時・日雇い労働者世帯では賃貸保証金の負債が38.5%も急増しており、60代以上の持ち家世帯が賃貸に出す事例が増えたことも影響している」とした。
地域別では、資産額の多くを不動産が占めるソウル(8億3649万ウォン=約8866万円)、世宗(7億5211万ウォン=約7973万円)、京畿(6億8716万ウォン=約7283万円)が全国平均(5億6678万ウォン=約6007万円)を上回った。特にソウルの不動産資産は6億1409万ウォン(約6508万円)と最も高く、不動産価格の地域格差が一層際立った。
世帯主の年齢別では、資産が最も多かったのは50代で、平均6億6205万ウォン(約7019万円)。続いて40代(6億2714万ウォン=約6647万円)、60代(6億95万ウォン=約6375万円)と続いた。50代は住宅保有率と所得水準が高く、資産蓄積のピーク層とされている。
また、就業形態別では自営業者の平均資産が7億195万ウォン(約7431万円)と最も高く、常用労働者(6億1918万ウォン=約6562万円)、無職などのその他(4億7958万ウォン=約5084万円)の順だった。
一方で、資産が増加しているにもかかわらず、今後の不動産市場に対する見方は慎重になっている。余裕資金があれば不動産に投資したいと答えた割合は46.1%で、前年より3.4ポイント低下した。これは市場の先行き不透明感や金利の高止まりなどを背景にした動きとみられる。
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