
韓国政府が相次いで食品価格の点検に乗り出す中、即席ラーメン業界が価格政策を巡って難しい判断を迫られている。製糖・製粉業界がカルテル調査後に小麦粉やでん粉糖の価格を引き下げ、それを受けて製パン業界もパンの価格を下げたことで、ラーメン価格にも関心が集まっている。業界は、値下げの可否をまだ決めておらず、値下げ余力も大きくないとしている。
農林畜産食品省は3月5日、農心、三養食品、オットゥギ、八道のラーメンメーカー4社の関係者と非公開の懇談会を開き、原材料価格や製品価格の動向を点検した。表向きは市場状況の確認だが、業界では実質的にラーメン価格の調整を巡る協議の場と受け止められている。
特に、イ・ジェミョン(李在明)大統領が2025年の就任直後に「ラーメン1袋が2000ウォン(約213円)するというが本当か」と発言したことがあらためて注目され、ラーメン価格への関心が高まっている。もっとも、実際の販売価格は1袋当たり1000ウォン(約106円)前後が中心だ。韓国消費者院の価格情報サイトによると、代表商品「辛ラーメン」は5袋入り1パックの平均価格が4572ウォン(約486円)で、1袋換算では約914ウォン(約97円)となる。公示対象商品の中で最も高いとされる八道の「トゥムセラーメン」でも、1袋1157ウォン(約123円)程度にとどまる。
値上がり率も、他の食品や外食メニューに比べれば相対的に低い。農心の辛ラーメンは2020年の728ウォン(約77円)から2026年は914ウォン(約97円)となり、約6年間で26%上昇した。2022年には895ウォン(約95円)まで上がったが、2023年には政府の物価安定要請を受けて840ウォン(約89円)程度まで下がり、その後2025年に再び引き上げられた。
同じ期間に、シリアルは5597ウォン(約596円)から7939ウォン(約845円)へ約42%上昇し、缶コーヒーは1743ウォン(約185円)から2284ウォン(約243円)へ31%上昇した。パンも2770ウォン(約295円)から3954ウォン(約421円)へ約43%値上がりした。外食ではジャージャー麺が47%、キンパが51%上昇している。
業界は、ラーメンが庶民的な生活必需品と受け止められているだけに、これまで値上げ幅をできる限り抑えてきたと説明する。2025年の値上げも、2023年の値下げ前の水準に戻した程度にとどまり、三養食品は物価安定政策に歩調を合わせる形で価格引き上げを見送った。
ただ、価格管理の影響で国内市場の成長は鈍い。農心は2025年、連結売上高3兆5143億ウォン(約3739億2152万円)を記録したが、成長の大半は海外事業の拡大によるものだった。三養食品も「ブルダック」の輸出好調で売り上げ2兆ウォン(約2128億円)を達成したが、海外売り上げ比率は約80%に達した。
国内市場では内需低迷と価格政策の負担が重なり、収益性の悪化が続いている。農心の関係者は、2023年の値下げ以降、営業利益率が6%台から4%台に低下したと説明し、2025年に価格を戻した後も収益性の回復は容易ではないと話した。
業界では、今回の懇談会を受けて直ちに値下げが決まる可能性は低いとの見方が強い。ただ、物価管理の対象としてラーメンが繰り返し取り上げられることで、値下げ圧力はさらに強まるとみられている。加えて、中東情勢の緊迫化を背景に、原油価格、輸送費、為替の上昇という三重の負担も重なり、価格判断はいっそう難しさを増している。
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