
中東情勢の緊迫化を受け、基礎原料ナフサの供給網が揺らぎ、韓国の産業と日常生活に幅広い影響が広がっている。ビニールやプラスチック製品の不足懸念が強まり、価格上昇も現実味を帯びてきた。
業界によると、ナフサを分解して生産するエチレンの供給が縮小し、ビニール袋やプラスチック容器など生活必需品の供給に支障が出始めている。実際、ビニール製品メーカーの間では、原材料確保の難航を理由に値上げや販売数量の制限に踏み切る動きが出ている。
一部企業は、原材料価格の上昇と供給不安が続いているとして値上げを予告しており、大量注文の制限や出荷の遅れも起きている。注文の急増で在庫が尽き、やむを得ずキャンセルする事例もあるという。
ビニール袋の原料となるポリエチレンはエチレンから生産されるため、供給不安はそのまま製品不足に直結する。ごみ袋の品薄を懸念する声も広がっている。
ナフサ価格も急騰している。中東情勢の緊張が高まる前は1トン当たり640ドル(約10万2282円)だったが、直近では1220ドル(約19万4976円)まで跳ね上がった。こうした原料高は、製品価格にも転嫁されつつある。
飲料や食品業界も影響を避けられない。ペットボトルやラベルなどプラスチック資材を多く使う企業では、当面は在庫で対応できるとしながらも、資材確保の難しさとコスト上昇を懸念している。最終的には製品価格の引き上げ圧力につながるとの見方も出ている。
農業分野でも不安が広がっている。農業用ビニールの価格が急騰し、品薄も見られることから、農家が確保に奔走する事態となっている。コスト増によって営農を断念するケースが出る可能性も指摘されている。
生活用品業界では、シャンプー容器などの製造に影響が及ぶ可能性があり、医療分野でも点滴バッグの原材料不足が懸念されている。現時点では在庫が確保されているものの、長期化すれば医療現場への影響は避けられない見通しだ。
石油化学工場の稼働停止が相次ぐ中、産業界全体に緊張が走っている。ナフサはプラスチックや合成ゴムなどの基礎原料で、タイヤや家電、電線などほぼすべての製造業に欠かせない。
多くの企業は当面の在庫で対応可能としているが、事態の長期化を警戒し、供給先の多角化などの対策を急いでいる。企業関係者は、短期的には問題ないものの、長引けば生産に大きな影響が出ると懸念を示した。
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