今年7月に韓国の京畿道楊州市(キョンギド・ヤンジュシ)のテコンドー道場で発生した虐待事件で息子を失った母親が苦しみ続ける中、道場の館長が「子どもが生まれた」と笑顔を見せ、非難の声が上がっている。
被害男児の母親は、韓国の放送局YTNのインタビューで館長への厳正な処罰を求めた。母親は「面会に行った際、館長が笑っていたので理由を聞いたら『子どもが生まれたんです』と言われた。私は子どもを失ったのに……」と涙ながらに語った。
事件当時の防犯カメラ映像には、館長が男児を逆さに持ち上げてマット内に押し込み、動けない男児の脚を指導員がつかんで激しく揺さぶる様子が映っていた。やがて男児は動かなくなり、その後も約27分間放置された末に心停止状態で搬送された。そして11日後に死亡した。
館長は事件までの2カ月間に140回以上も男児を虐待していたことが明らかとなり、指導員3人も虐待や放置の疑いで立件された。
母親は「息子を愛していたと言い訳する館長の言葉が許せない」と語り、怒りをあらわにした。
一方、館長側の弁護士は「人工呼吸器を外したのは保護者の判断であり、死因が館長の行動と直接関係があるか精査すべきだ」と主張している。
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