韓国のファッションプラットフォーム「ムシンサ(MUSINSA)」が、海外進出を希望するK-ファッションブランドを支援するインキュベーターとしての役割で注目されている。韓国国内でデザイナーブランドと共に成長してきた経験を活かし、K-ファッションブランドの海外進出をサポートする橋頭堡となっている。
最近、東京・原宿で開催されたオフラインのポップアップストアがその代表例だ。ムシンサは、原宿の象徴でありトレンドを代表するラフォーレと共に、セールイベント「グランバザール」でK-ファッションブランドを紹介するポップアップストアを開き、注目を集めた。
このポップアップイベントは「DIGGING SEOUL by MUSINSA」というコンセプトのもと、韓国で人気の最新ファッショントレンドを反映した15のK-ファッションブランドを紹介した。参加したブランドには「グローニ」「ニックアンドニコル」「レストアンドレクリエーション」「アーカイブボールド」などがあり、好評を博した。また、「タイムサービス」のボールキャップ、「アーバンドレス」のジーンズ、「インスタントファンク」のスウェットシャツなどは実際の購入につながり、売り上げが好調だった。
このイベントには、当初の目標人数を大きく上回る5300人以上の来場があった。さらに、ルミネ新宿やベイクルーズなど日本のバイヤーも直接ポップアップストアを訪れ、K-ファッションブランドへの高い関心を示した。
ムシンサがグローバルなKファッションインキュベーターとして注目される理由は、単発のイベント開催にとどまらず、ブランドが海外市場で競争力を持てるように長期的な視点で支援を続けている点だ。特に、韓国国内でデザイナーブランドと共に成長してきたノウハウを活かし、現地に適応したブランディング、マーケティング、セールス活動を通じて、日本市場への浸透を図っている。
また、オフラインでブランドを体験した日本の客が、ムシンサのグローバルアプリを通じてオンライン購入を続けられるよう、販路を開拓し、モンスターセールなどの大規模な割引イベントを通じて顧客のアクセスを大幅に強化している点も注目に値する。今年上半期に開催された「2024ムシンサモンスターセール」では、約740のK-ファッションブランドが参加し、前年に比べて販売額が3倍以上増加するなど、好成績を収めた。
さらに、ムシンサと共に海外市場に進出したブランドが、日本国内で流通網を拡大できるようショールームを継続的に運営している点も特筆される。今年上半期に東京で開催された「24FWショールーム」には、「基準」「ラックフィッシュウェザーウェア」「スタンドオイル」「トアンドト」など7つのブランドが参加し、約150人の日本のバイヤーが訪れた。
ムシンサの関係者は「韓国ファッションブランドを紹介するオフラインイベントを開催するたびに、多くの日本の流通チャネル担当者が訪れ、韓国ファッションブランドの流通やポップアップ開催について関心を示している」と述べ、今後も日本市場に進出したいK-ファッションブランドの強力なパートナーとして、多様な支援活動を通じて共存の価値をさらに拡大していく考えを示した。
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