
韓国のディスカウントストア「ホームプラス」が企業再生手続き(法定管理)を申請したことで、関連する債券に投資していた個人投資家に数千億ウォン規模の損失が発生する恐れが出ている。すでに一部の投資家が集団行動を起こしており、事態はさらに拡大する可能性がある。
ホームプラスはクレジットカード決済で得た債権を基に資産流動化電子短期社債(ABSTB)を発行していたが、実質的な担保資産がなく、10日に満期を迎えた際に債務不履行を宣言。未払いとなったABSTBは約4000億ウォンに達し、そのうち3000億ウォン以上が個人および法人投資家に販売されていた。加えて、企業手形(CP)や電子短期社債1880億ウォン分も返済が滞り、個人投資家の損失は避けられない状況だ。
証券業界関係者は、ホームプラス関連のABSTBやCPなどへの投資総額が約5000億ウォンに及ぶと推計している。メリッツ金融グループは1兆2000億ウォンを融資し、不動産を担保に資金回収の見込みがあるが、個人投資家に救済の道はほぼないとみられている。
ホームプラスは「ABSTBやCPは証券会社が販売したもので、当社とは無関係」との立場を示しているが、企業再生手続き申請の直前までCPを発行していた点が問題視されている。先月25日にもCPを発行し、申請の1週間前まで資金調達を続けていた。金融監督院は、企業再生を認識したうえで発行を継続した可能性を調査しており、不正行為の疑いも指摘されている。
流通業界では、ホームプラスが債券発行時に不正を認識していたと判明すれば、世論の反発が強まり、事態の収拾がさらに難しくなるとの見方が強い。すでに投資家らは金融監督院前で抗議集会を予定しており、ホームプラスの対応次第では法的手続きに発展する可能性もある。
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