
韓国発のファッションブランド「マーティンキム(Matin Kim)」が東南アジア初の店舗をタイ・バンコクにオープンした。開店初日から現地芸能人やインフルエンサー、一般客らが詰めかけ、「オープンラン(開店時の行列)」が発生するなど高い関心を集めている。
バンコク中心部の高級百貨店「セントラル・チットロム(Chidlom)」に設けられた店舗では、同ブランドのロゴが入ったアクセサリーやジャケットが店頭に並び、開店直後から売り切れ商品が出る盛況ぶりとなった。
◆芸能人も愛用、「韓国行くなら買ってきて」
現地では以前から「韓国旅行で買ってきてほしいブランド」として知名度が高く、俳優やアイドル出身の芸能人にも愛用者が多い。来店したタイの人気俳優ウィリアム・ジャックラパットさんは「昨年、友人から“マーティンキムのジャケットを買ってきてほしい”と頼まれた」と語る。
タイでの人気はリセール市場にも影響を与えており、明洞(ミョンドン)などの韓国の直営店で大量に仕入れた商品が、SNSや個人マーケットで高値で取引されているという。この“逆輸入”のようなトレンドが、タイ市場への早期進出を後押しした。
◆2018年創業、急成長のKファッション代表格
マーティンキムは2018年に設立され、2021年には化学大手の系列会社「ハゴハウス」に買収された後、マーケティングや流通の強化を経て急成長を遂げた。2018年に10億ウォン(約1億円)だった売り上げは、2022年に500億ウォン、2023年には1500億ウォンを突破。2024年は2000億ウォンを目指している。
同ブランドはこれまで日本・香港・台湾などへ進出しており、タイは6カ国・地域目。東南アジアでは初の展開となる。
◆現地戦略は「中心部・高級路線」
今回の出店場所は、バンコクの中心地であるチットロム地区の高級百貨店。観光客と富裕層が集まる地域で、ブランド力の早期定着を狙った。店舗内には秋冬用のジャケットやスウェット、人気のロゴ入りバッグや帽子などが所狭しと並べられている。
マーティンキムの担当者は「ロゴTシャツやナイロンパンツがすでに品切れになっている」と話し、反響の大きさを強調した。
今後は現地大手流通企業・セントラルグループのネットワークを活用し、オフライン単独店を20店舗、公式オンラインストアも展開する。タイを起点に、ベトナムやインドネシアなど他のASEAN諸国への進出も視野に入れている。
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