
韓国ファッション業界でデニムが、単なる季節商品を超えた「ブランド戦略の中核」として再評価されている。景気低迷の中、流行よりも長く着られるベーシックアイテムへの需要が高まっているためだ。
この流れを受け、デニムは季節に左右されない「タイムレスアイテム」として注目され、各ブランドの方向性を示す重要なカテゴリーとなっている。
生活文化企業LFが展開するブランド「ジルスチュアート・ニューヨーク」は、プレミアムデニムの強化に乗り出した。2026年春夏コレクションでは、色移りを抑えた「ノンフェードデニム」を採用し、明るい服やバッグと合わせても色移りしにくい実用性とスタイリングの自由度を両立した。長く着られる品質へのニーズを反映した商品とされる。
同じくLFのブランド「ヘジス」は、デニムをブランドの核に据えた。グローバルシグネチャーライン「ヘジスブルー」を立ち上げ、メンズ、レディース、キッズ、ペットまで展開するファミリーコレクションとして育成する方針だ。「BLUE AS IDENTITY(ブルーはアイデンティティ)」というメッセージのもと、デニムを個性表現の手段として位置づけている。
また、ファッショングループ・ヒョンジの女性ブランド「クロコダイルレディ」も、デニムをリブランディングの軸に採用した。ブランド30周年を記念したカプセルコレクション「青春時代」では、“青(デニム)”と“春”を組み合わせたコンセプトで、若々しさと刷新を表現。約30種類のアイテムで既存顧客への新鮮さと新規顧客の獲得を狙っている。
このようにデニムは単なる素材ではなく、ブランドの方向性や価値観を示す「戦略」として位置づけられつつある。
業界関係者は「経済の不確実性が高まる中、流行に左右されず長く使えるアイテムを選ぶ傾向が強まっている」と指摘し、「デニムという親しみやすい素材を活用しながら、各社が異なる戦略で差別化を図っている」と分析した。
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