韓国のファッション企業が「MZ世代」(1980~2000年代初め生まれ)にターゲットを絞り、新ブランドの発掘に力を入れている。国内外の経済不安によって消費心理の萎縮が予想されるが、高級輸入ブランドには固定のファン層が付いているためだ。百貨店などでは売り場の増設が相次いでいる。
サムスン物産ファッション部門は今年、海外ブランドマーケティングを▽JACQUEMUS(ジャックムス)▽STUDIO NICHOLSON(スタジオニコルソン)▽GANNI(ガニー)に集中する計画だ。いずれもBeaker(ベイカー)、10 CORSO COMO(テンコルソコモ)など独自のショップを通じて輸入販売し、昨年単独流通契約を結んだブランドで、オンラインモールSSFショップと百貨店の売り場で展開する。
フランスブランドのJACQUEMUS(ジャックムス)は昨年の売り上げが前年の2倍になった。英国ブランドのスタジオニコルソンも昨年9月、現代(ヒョンデ)百貨店狎鴎亭(アックジョン)店に初めて売り場をオープンするや週末の売り上げが2億ウォン台を記録。コペンハーゲンのブランド、ガニーも昨年10月、新世界百貨店江南店に単独売り場をオープンした。
ハンソムは昨年8月、公式流通契約を結んだスウェーデンブランドの「Our Legacy(アワーレガシー)」の売り場を拡大している。アワーレガシーは現代百貨店狎鴎亭本店に続き、最近ギャラリアEAST売り場、現代百貨店板橋店に新規売り場をオープンした。
ハンソムは昨年12月にも米国デザイナーブランドのガブリエラ・ハーストやベロニカ・ビアード、スウェーデンファッションブランドのトーテムと国内独占流通契約を締結。それぞれ現代百貨店などに売り場を構え、ハンソムは今年下半期までに海外ファッションブランドの数を従来の2倍の約20社に増やす計画だ。
新ブランド品の需要が増え、並行輸入市場も持続的に拡大。ブランド品プラットフォームのマストイットは昨年末から主要ブランドを紹介する「マガジン」と連携して企画展を開き、新ブランド品マーケティングを強化している。最初のマガジンブランドである「アワーレガシー」は企画展後、週間平均購買金額が80%増加した。
ファッション業界関係者は「ファッション業界の萎縮が憂慮されるが、若い世代が好むブランドは依然として需要が持続すると予想される。そうした世代が欲しがるブランドの発掘がカギ」と話した。
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