
中国発の超低価格ファッションプラットフォーム「SHEIN(シーイン)」が韓国市場で勢力を拡大している。2025年4月のモバイルアプリ月間アクティブユーザー(MAU)が初めて100万人を超え、韓国進出以来最大の記録を更新した。
SHEINは2022年末に韓国法人を設立し、2024年4月に公式オンラインストアを開設。以降、ユーザー数は急増し、2年前の約21万人から約6倍に増加した。2025年4月には120万7310人を記録し、国内のファッションアプリ内で7位に浮上。Wコンセプト(114万人)、POSTY(101万人)などの国内競合を上回る結果となった。
背景には「不況消費」がある。SHEINは、米国・中国などで極端な低価格戦略を武器に成長し、2024年の売り上げは380億ドルに達した。韓国でもTシャツやワンピースなどが1万ウォン未満で簡単に購入できることから、若年層や価格志向の消費者を中心に利用者が急増している。
特に、韓国で中国製の低価格商品を取り扱うプラットフォームであるABLYやZIGZAGへの打撃が懸念されている。
ABLYの4月MAUは539万人、ZIGZAGは350万人と、SHEINとは依然差があるが、長期的な景気後退により「価格重視」の消費トレンドが強まれば、その差は縮まる可能性がある。
実際、ABLYで3万8900ウォンで販売されているトレーナーと同じデザインの商品がSHEINでは約8500ウォンで販売されており、3分の1以下の価格差がある。
一方、ABLYとZIGZAGは2024年も売り上げを伸ばしたが、収益性には大きな課題を抱えている。ABLYは2024年に売り上げ3343億ウォン(前年比30%増)を記録したが、154億ウォンの営業損失で赤字に転落。資産より負債が多い「資本蚕食」状態にある。
ZIGZAGはカカオスタイルが運営しており、2024年に売り上げ2004億ウォン(前年比20%増)、営業利益22億ウォンで黒字に転換したが、累積赤字1131億ウォンという構造的な財務リスクを抱える。
業界関係者は「オリジナルブランドや差別化がない限り、価格競争では中国系企業に勝てない。アリババやTEMU(テム)のように、巨額の資本力で市場を制圧された場合、韓国の中小プラットフォームが持ちこたえるのは難しい」との懸念を示した。
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