韓国のビッグデータ専門企業「ビッグスター」が「AI編集デザイナー」を開発した。入力された書名や著者、出版社、絵などを土台に表紙の試案を作成する。今後、デザインだけでなく、本の自動編集するAIの開発に乗り出す計画だという。
AI編集デザイナーは市販本の表紙を学習し、表紙デザインを作ることができ、ブックデザイナーやプログラムがなくてもデザインの試案を無限に作り出せるという利点がある。
ビクターのイ・ヒョンジョン代表は7日、「AI編集デザイナーはまだ商用化段階ではないが、文学、IT、経営書など10分野の1000冊の本について表紙、著者などの入力を終えている」と明らかにした。
同社は今後、関連分野への投資や出版社との提携などを通じて技術活用することを模索する。イ代表は「どのようにビジネス化するかが悩みだ。個人出版物を出したい人をターゲットにするか考えているが、市場の規模がわからない」と話している。
ビッグスターは今後、AIに本文まで入力すれば自動的に本を編集するモデルの開発計画も持っている。表紙だけでなく校閲作業などもAIに任せ、組版作業までできるモデルだ。
◇業界の反応は微妙
「AI編集デザイナー」に対する出版業界の反応は微妙だ。表紙は本の売れ行きを左右する重要な要素であり、AIを信頼して全面的に任せることはできないという意見が優勢といえる。
ある出版社代表は「人件費節減効果はあるだろうが、表紙はいくらお金がかかっても編集者の意図と感性を大事にしたい。ブックデザイナーの役割は重要だ」と述べた。AI編集デザイナーは人間の感性に追いつけないとの立場を取っている。
別の出版社で文学を担当する編集者は「本の解釈は人間の領域であり、編集者によって表紙は変わる。ただ実用書のようにある程度フォーマットが決まった本の場合は活用可能性がありそうだ」と話した。
また、組版作業をするAIに対しては多くの出版関係者が「本文の行間や余白をどのようにするか、ある程度マニュアルが出ている。費用節減を考慮すればAIを使うこともできそうだ」と肯定的に捉えた。
(c)NEWSIS