
韓国の防衛・航空産業大手であるハンファエアロスペースが、防衛事業に続きエネルギー分野の拡大に本格的に乗り出す。従来の圧縮機やタービンなどプラント設備供給中心の事業から脱し、エネルギー資源の開発から流通・トレーディングまでを網羅するバリューチェーンを構築する方針だ。
業界によると、同社は来月の株主総会で▽エネルギー資源の開発・生産・輸出入・流通・トレーディング▽エネルギー流通インフラの投資・開発・運営▽電力・地域熱供給・電力仲介事業および関連投資▽航空機および宇宙船の打ち上げサービス――を事業目的に追加する議案を上程する。
同社は現在、グループ系列が運営する発電所にガスタービンや圧縮機を供給し、米国産LNG(液化天然ガス)の調達やスワップ取引を支援している。今後はLNG、水素、アンモニアなどエネルギー全般に事業領域を広げ、資源開発から輸送、供給までを一体化する構想だ。
とりわけ、グループ会社のハンファオーシャンが建造するLNG運搬船との連携により、調達・輸送・供給を結ぶ統合バリューチェーンの完成が可能になるとの見方が出ている。
また、エネルギーインフラ投資・運営分野を追加することで、既存のエネルギー貯蔵装置(ESS)事業と相乗効果を生み、設計・調達・建設(EPC)から運営(O&M)まで担うモデルへ拡張する狙いだ。
今回の定款変更では「航空機および宇宙船の打ち上げサービス業」も新たに加わる。従来は宇宙機器や衛星部品の製造・整備・販売にとどまっていたが、今後は商業衛星の打ち上げサービス分野への参入も可能となる。無人機やドローンの打ち上げなど関連事業への拡大も視野に入れる。
同社は2025年、防衛・エネルギーを軸に「グローバル・トップティアのソリューションプロバイダー」への飛躍を掲げており、今回の事業目的追加は中長期成長戦略の具体化と位置づけられる。
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