
韓国の防衛企業「ハンファ」がアラブ首長国連邦(UAE)と国防人工知能(AI)・統合防空網・無人艦の開発を網羅する「防衛産業同盟」に乗り出す。
韓国メガ・ニュース(MEGA News)のリュ・ウンジュ記者の取材によると、ハンファはUAEドバイで開催中の「ドバイ・エアショー2025」において、UAEの国営防衛産業企業であるエッジ(EDGE)グループと防衛産業分野における共同投資・開発に関する了解覚書(MOU)を締結した。
今回の協約は、最近開かれた韓・UAE首脳会談で議論された両国間の先端防衛産業協力拡大に対する後続措置として、民間分野でも両国の相互協力を強化し、政府の政策を積極的に支援するというもの。
この協約により、両社はスマートレーダーや自律走行無人地上車両(UGV)に適用されるAIプラットフォームの共同開発を優先的に推進する。UAEの砂漠環境で蓄積された実戦の標的・戦場データをハンファのAIモデルと組み合わせることで、中東の運用環境に特化したスマートレーダーAIプラットフォームを開発する。
また、エッジグループ傘下の無人地上システム企業ミレム・ロボティクスが運用中のクローラー型UGV「テミス」の実戦データとハンファのAI技術を結合し、自律走行UGV用AIプラットフォームの開発にも協力する。テミスはウクライナ戦場で任務を遂行し、多様な実戦データを蓄積しており、ハンファのAIモデルと結びつけることで中東に特化した自律走行技術の確保が可能になると期待されている。
ハンファはAI協力と併せて、UAEの多層防空網のアップグレードや統合防空MRO(整備・修理・オーバーホール)センターの構築も支援する。対空防衛システムの協力を通じてUAEの防空能力を強化し、既存の中・短距離防衛システムと連動する統合防空網の構築に取り組む。UAE国内に統合MROクラスターを設立することで、長期的かつ自立的な防空運用体制も整備する。
さらに、UAE国営造船所のADSBとの協力により、大型商船の修理、無人艦の共同開発・生産、大型艦艇の設計・建造など、造船分野での協力も拡大していく。
ハンファエアロスペース中東・アフリカ統括法人のソン・イル社長は「韓・UAEのAI技術同盟により、韓国が世界トップ3の国防AI強国に跳躍することが現実となり得る。必要であれば両国間の国防AI技術協力を加速させる合弁会社の設立も検討できる」と語った。
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