
韓国の低価格均一ショップ「ダイソー」がオンラインモール「ダイソーモール」で急速に利用者数を伸ばしている。しかし他のEC(電子商取引)プラットフォームとは異なり、実際の購入に直結するケースは少なく、「ウィンドウショッピング専用チャネル」としての役割が強まっているようだ。
アプリ分析サービス「ワイズアプリリテール」によると、2025年7月のダイソーモール月間アクティブユーザー(MAU)は424万人に達し過去最高を記録。前年同月比56%増、2年前の3.5倍に達する大幅な成長だった。EC業界ではMAUは売り上げを左右する指標だが、ダイソーの場合、オンライン売り上げは依然として大きな伸びを見せていない。現在も売り上げ全体の90%以上はオフライン店舗が占めており、業界では2025年の総売り上げが4兆ウォンを突破すると予測されている。
背景にはダイソーモールが「商品検索・情報確認の窓口」として定着したことがある。毎月数百種類の新商品が登場するダイソーでは、SNSで話題になった商品や販売店舗の検索機能をオンラインで提供しており、多くのユーザーは購入ではなく検索目的で利用しているという。特に美容や健康食品カテゴリの検索が多く、利用者の約76%が女性、主な年齢層は20~40代で占められている。
ダイソー側は「実際に購入につながらなくとも、製品品質への信頼が高まり“ロックイン効果”(顧客囲い込み)が強まっている」と分析する。
一方で、送料体系も購買移行を妨げる要因とされる。現在、3万ウォン以上の購入で送料無料となるが、それ以下の注文では3000ウォン(約330円)の送料がかかる。均一価格1000~5000ウォンの商品が中心のダイソーでは、配送料3000ウォンは「アンプル1本」や「ウェットティッシュ3個分」に相当し、消費者にとって心理的負担が大きい。
(c)MONEYTODAY