2025 年 8月 6日 (水)
ホーム社会韓国スターバックス、会話禁止の「サイレントルーム」を導入…静寂と瞑想を楽しむ新空間

韓国スターバックス、会話禁止の「サイレントルーム」を導入…静寂と瞑想を楽しむ新空間

南漢江を見下ろせるよう座席を階段式に配置したサイレントルーム(c)MONEYTODAY

「静かな思索のため、静かにご利用ください」――。スターバックスコリアが6月20日から韓国京畿道楊平(ヤンピョン)に位置する「ザ・ヤンピョンDT店」に設置した「サイレントルーム(Silent Room)」が話題を集めている。韓国で初めての導入となるこの空間は、会話が禁止された“静寂特化型”の新コンセプトだ。

サイレントルームは3階の最奥に位置し、2メートル以上ある重厚な茶色の防音ドアを開けて入る。室内には「会話をする場合は一般席を利用」「個人コンテンツ利用時はイヤホンを使用」「電子機器はマナーモード必須」などの注意書きが掲示され、違反時は席の移動を求められる。

記者が7月30日午後2時に訪れた際には、19席が満席で、訪問客は皆静かに読書や映画鑑賞など各自の活動に没頭していた。南漢江(ナムハンガン)を一望できる窓際の席では、水面を眺めながら“物思いにふける”利用者や、窓の外に設置された焚き火スペースで“火を見て癒される”姿も見られた。

同室の音響には人気音楽YouTubeチャンネル「essential;」とのコラボレーション音源が活用されており、BGMとして静かに流れている。部屋全体は天井と壁に吸音材を使った防音設計が施され、図書室のように極度な静寂を求めるわけではないが、落ち着いた環境が保たれている。

この空間はもともとテラスと接続された通常の席だった。「スペシャルストア」第1号店として2020年に開店した経緯から、周辺に多数立地する他のカフェとの差別化を図るために改装された。店内では、四季や時間帯に合わせた音楽のキュレーション、書籍の設置、瞑想や静かな時間を促す工夫が随所に施されている。

47坪のサイレントルームには階段状に12席が設けられ、すべての席から南漢江を眺められるように設計されている。座席は2人用で、小型のテーブルが備え付けられており、落ち着いた雰囲気の中で時間を過ごせるよう配慮されている。

近年拡大する「デジタル・デトックス」や「静寂消費」のトレンドと合致するこの試みは、SNSやスマートフォンの情報洪水に疲れた人々に“つながらない時間”を提供する。

飲食店などにも“会話禁止”や“デジタル遮断”をコンセプトにした空間が増えており、スターバックスもこの流れに注目しているとみられる。

(c)MONEYTODAY

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