韓国サムスン電子が3ナノ(ナノメーターは10億分の1m)を初めて適用したモバイルAP(アプリケーションプロセッサ)「エクシノス(Exynos)」の大量量産秒読みに入り、世界最大のファウンドリー(半導体委託生産)、台湾積体電路製造(TSMC)のプロセス転換速度をハイペースで追撃している。
サムスン電子はグローバル設計自動化(EDA)会社のシノプシスと協業し、3ナノGAA(ゲートオールアラウンド)プロセスをベースとしたモバイルAPなどSoC(システムオンチップ)設計とテープアウト(Tape-Out・試作品量産)に成功した。
テープアウトはファブレス(半導体設計)の最終チップ設計図と試作品がファウンドリーに移ることを意味する。大量量産準備のための最終段階だ。
今回、サムスンファウンドリーが試作品を量産したAPは「エクシノス2500」で遅くとも今年下半期に量産に入り、来年初めに発売するギャラクシーS25スマートフォンに適用されると予想される。
ただし、クアルコムの3ナノプロセスベースの次世代チップ「スナップドラゴン84世代(仮称)」もサムスンファウンドリーで作る可能性があり具体的な供給割合は明らかにされなかった。
業界では、TSMCが昨年、3ナノのA17チップセットをiPhone15プロモデルに供給し、プロセス転換では速かったが、GAA技術適用ではサムスン電子が一歩リードしたという評価だ。
GAAはサムスン電子が初めて開発した技術で、従来のフィンフェット(FinFET)技術より半導体電力消耗と性能を改善した。現在、3ナノに従来のフィンフェット方式を適用しているTSMCは、2025年に2ナノからGAAを導入する。
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