韓国サムスン電子がカナダのトロントと米カリフォルニア州マウンテンビューにある人工知能(AI)研究所を統合し「北米AIセンター」という新たな組織を作った。両研究所を維持しながら両者を統括するコントロールタワーとし、組織を効率的に運営し、研究の相乗効果を模索する。米ブルームバーグ通信が12日、伝えた。
また、サムスン電子は、北米AIセンターのトップとしてアップルの元役員であるムラト・アクバカク氏を迎え入れた。アクバカク氏はアップルでパーソナルデジタルアシスタント「Siri」の事業モデルと実行戦略を立てる業務を担当していた。その前はマイクロソフト(MS)で音声秘書関連AIを研究し、チャットボットを開発した。
ブルームバーグは「このような動きは世界最大の技術企業がAI分野でよりいっそう積極的になっていることを示すシグナルだ。サムスンやアップルのような機器製造業者はAI機能を提供し、消費者がより頻繁に製品を交換するよう誘導するとみられる」との見方を示した。
サムスンとアップルは関連内容に対するコメントを拒否した。
一方、アップルは10日、「世界開発者会議(WWDC)2024」を開き、アイフォンやマックなど機器全般に独自の「アップルインテリジェンス」を導入すると明らかにした。アップルは自社の「Siri」にオープンAIの「チャットGPT」を導入する方針だ。ただ、アップルはチャットボットを駆動するためにオープンAIの技術を使うが、残りの大半の機能は独自開発した。
これに対し、サムスン電子はグーグルの「ジェミニ」を通じてAIチャットボットサービスを提供する。
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