
かつて「クラフトビール・ブーム」を牽引し急成長した韓国のクラフトビール業界が、相次いで崖っぷちに追い込まれている。市場の成長が鈍化するなか、固定費負担の増加と競争激化が重なり、企業再生手続きや破産手続きに入る企業が続出している。
業界によると、第1世代のクラフトビールメーカーとして知られるアメイジング・ブリューイング・カンパニー(Amazing Brewing Company)は、買収先を確保できず、2025年後半に破産手続きを開始した。同社は国内クラフトビール界の先駆けとして注目を集めたが、経営正常化に失敗し、最終的に市場からの退場を余儀なくされた。
かつて人気を博したソウル・聖水洞(ソンスドン)の本店は、店内に醸造設備を備えた開放型ブリューパブとして知られ、韓国におけるクラフトビールの大衆化を牽引した存在と評価されてきた。しかし、業況悪化を乗り越えられず、経営権売却も不調に終わり、破産の道をたどることになった。
他のメーカーも状況は厳しい。「コムピョ(熊標)小麦ビール」で知名度を高めたセブンブロイビール(7Bräu Beer)は、2023年3月にブランドライセンス契約が終了して以降、経営難に直面し、2025年6月に企業再生手続きを申請した。
また、ワイブリュワリー(WI Brewery)も先月16日に再生手続きを申請し、30日には簡易再生手続き開始の決定を受けている。大手コンビニとの専用コラボ商品(PB商品)で販路を広げてきたが、市場環境の悪化による資金繰りの悪化に耐えられなかったとみられる。
業界全体の危機は、市場そのものの急激な縮小と直結している。コロナ禍後、外食需要は一定程度回復したものの、クラフトビールの消費は以前の水準に戻らず、酒類消費全体の減少のなかで成長エンジンを失ったとの分析が出ている。
原材料費や人件費の上昇も重くのしかかる。少量生産が基本のクラフトビールはコスト削減が難しく、電気・ガス代など製造コストの上昇が収益性を大きく圧迫した。
競争環境も一段と厳しい。輸入プレミアムビールが攻勢を強め、消費者の選択肢が拡大する一方、韓国ではハイボールが新たな酒類トレンドとして台頭し、クラフトビールの居場所はさらに狭まっている。
実際、市場規模は明確な減少傾向にある。韓国手作りビール協会によると、国内のクラフトビール市場は2021年に1520億ウォン(約170億円)でピークを迎えた後、2023年には752億ウォン(約85億円)まで急減した。
業界関係者は「外食チャネルの回復は期待ほどではなく、家飲みでもクラフトビールよりハイボールや輸入ビールに流れる傾向が強い」としたうえで、「市場自体が以前ほど魅力的ではなく、非常に厳しい状況だ」と語っている。
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