2024 年 12月 22日 (日)
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韓国カルト宗教、教会に行けば、黄金の装飾と監視カメラだらけ

10日午前10時、京畿道(キョンギド)城南市(ソンナムシ)盆唐区(ブンダング)の「主の××教会」4階大講堂(c)MONEYTODAY

韓国京畿道城南市(キョンギド・ソンナムシ)盆唐区(ブンダング)。10日午前10時ごろに訪れた「主の××教会」は地上6階、地下2階の建物だった。女性信徒に性的暴行を加えた罪で実刑を言い渡されたチョン・ミョンソク(鄭明析)被告(78)が総裁を務めるキリスト教福音宣教会(JMS)の教会だ。関係者によると、ここの信徒は約2000人でJMS教会の中で最も多い。

建物の外からJMS教会であることを示すものはなかった。窓はすべてブラインドで覆われているなど、外から室内を見ることができない構造だった。

近隣住民たちもここがJMS教会だということを知らなかったようだ。教会から徒歩5分の距離に住んでいる60代女性は「この近所に5年以上住んでいるが、(主の××教会が)チョン・ミョンソク総裁と関連した教会だとは知らなかった」と話した。

教会の前を通るコミュニティーバスの運転手も「観光バスをよく見た記憶はあるが、そんな教会だとは知らなかった」という。

教会から約100m離れた「板橋(パンキョ)子供図書館」の駐車場管理人は「平日は教会に人があまりおらず、日曜日にたくさん来ていた。大部分が家族連れで、特段、変な教会だとは思わなかった」と振り返る。

◇あちこちに「総裁の筆跡」聖書の文句

教会内部への通路は正門と地下1・2階駐車場のエレベーターだけ。正門とエレベーターに通じるドアに設置された出入場管理システムは指紋で認証する構造だった。

教会の建物に入ると、死角地帯がないと言えるほどCCTV(閉回路テレビ)が設置されていた。4階の大講堂の裏側から3階のメイク室につながる階段にもCCTVが2台あった。

建物のあちこちにはチョン・ミョンソク総裁が書いたとみられる文字による聖書の文句が貼られていた。総裁の筆跡には母音字の縦画を長く下げて左に曲げる特徴があるのだ。

インテリアは特級ホテル並みで華やかだった。4階の大講堂は500人程度を収容できる大きさで、教壇には牧師が説教する時に座る金色の肘掛け椅子が3つ置かれていた。

1階の正門前の天井には金色とガラスのシャンデリアが輝き、廊下のあちこちに東洋画と青磁が飾られていた。

大講堂の入り口の横には高さ1mほどの献金箱があった。箱の横の棚にあった献金封筒には▽献金日付▽回数▽金額▽名前▽祈祷――などと書かれてあった。

◇教会「性的暴行? 受けたとは思わない」

米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)ドキュメンタリー「すべては神のために:裏切られた信仰」で放映されたチョン・ミョンソク総裁の録音記録などに、信徒らは強い不満を表わした。

この日会った「主の××教会」の総務担当者は「被害女性が性的暴行を受けたとは思わない。ネットフリックスに公開されたのはユーチューブが編集されたもの」と主張した。

この総務担当者は、チョン・ミョンソク総裁が自身を神的な存在だと自称した事実はないとも強調した。

検察などによると、チョン・ミョンソク総裁は2018年2月から2021年9月まで忠清南道(チュンチョンナムド)錦山郡(クムサングン)の修練院で計17回にわたって女性信徒に性的暴行を加えるなどした罪で起訴された。裁判では起訴事実を否認している。

検察はチョン・ミョンソク総裁が信徒たちに自身を「メシア」と呼べと洗脳して拒否できないようにした後、性的暴行に及んだとみている。「すべては神」で公開された映像でもチョン・ミョンソク総裁が信徒らに「神様が見えないって? 見えない? 私を見つめて、神様。神様まで見る必要はないでしょう」と説教する場面が出てくる。

チョン・ミョンソク総裁は2009年にも信徒に性的暴行した罪で懲役10年の判決を受けて服役し、2018年2月に満期となり出所した。

(c)MONEYTODAY

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