
韓国の国民的メッセンジャー「カカオトーク」が、グループチャット内のライブ配信機能「ライブトーク」を終了する。カカオは9月23日に開かれる開発者カンファレンス「if(kakao)25」で大規模な刷新案を公開し、今後は本来の強みである「チャット」に選択と集中を図る。
カカオによると、ライブトークは10月中にモバイル版サービスを終了する。PC版はすでに2023年に順次停止済み。
2018年に始まった同機能は、特定のチャットルームでメンバー同士がリアルタイム映像を共有できる点が特徴だった。
代替機能としては、2021年に登場したグループ・フェイストークの活用が推奨されている。カカオは「サービスの選択と集中の一環。今後はフェイストークを中心に機能を高度化していく」と説明した。
さらに注目されるのは、米オープンAIとの提携だ。カカオは2025年2月に同社と戦略的パートナーシップを締結しており、9月23日にはチャットGPTを組み込んだ新サービスを発表する。利用者はアプリを離れることなくAIを呼び出せるようになり、チャットリストの検索機能「#検索」から直接活用できる可能性もある。
一方で、利用時間の減少も刷新の背景にある。アプリ分析サービス「モバイルインデックス」によれば、カカオトークの1人あたり月平均利用時間は2021年8月の790分から2025年8月には674分へと減少した。
カカオは2025年6月に「ネタバレ防止モザイク」機能を導入、8月には送信メッセージの削除可能時間を従来の5分から24時間に拡大。今月からはチャットリストにスクロール広告を追加するなど、利用者の滞在時間を伸ばす施策を打ち出してきた。
チョン・シナ代表は「カカオトークは単なるメッセンジャーを超え、コンテンツ探索や関係性に基づくソーシャル機能まで包含するプラットフォームへ進化する」と語っている。
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