韓国のビューティー市場で圧倒的なリーダーシップを誇るCJオリーブヤングと、急成長中のムシンサが、20~30代の消費者や外国人観光客が多く訪れる「ファッション・ビューティーの聖地」とされるソウル・聖水洞(ソンスドン)で激しい競争を繰り広げようとしている。
オリーブヤングがムシンサの本拠地とも言える聖水に「オリーブヤングタウン」を開設し、聖水駅の名前も取得したことで、両社の競争が一層激化するとの見方が広がっている。
聖水はファッションを中心に事業を展開するムシンサが数年前から本社移転や多様なオフライン事業に力を入れてきた地域だ。ムシンサは2022年に本社を江南から聖水に移転し、オフィスに加えて、「ムシンサスタンダードソンス」「ムシンサスタジオソンス」「イグソンス」などの施設を運営し、聖水をビジネス活動の中心地としている。
オリーブヤングが聖水に進出した背景には、ムシンサの急成長をけん制する意図があると見られている。オリーブヤングは現在、聖水地区で5店舗を運営しており、年内には国内最大面積の大型店舗をオープンする。さらに、ソウル地下鉄2号線の聖水駅の名称を10億ウォン(約1億円)で取得し、戦略的な一手を打っている。
現在、ムシンサとオリーブヤングは、それぞれファッションとビューティー分野でトップ企業とされている。両社は新サービスを通じて成長エンジンを確保する過程で激しくぶつかっている。オリーブヤングは昨年、CJグループの子会社からライフスタイルコマースプラットフォーム「ディプロット」を買収し、家具やインテリア小物などを取り扱う点で、ムシンサが運営するセレクトショップ「29CM」と競合している。
ムシンサは聖水地区に「ムシンサビューティースペース」を開設し、これまで入店ブランド向けに運営していた小規模のポップアップスペース「ムシンサスクエア」を改装。今後、中小インディブランドがオフラインで顧客と交流できる機会を提供する。また、9月6~9日、「ムシンサビューティーフェスタインソンス」を開催し、聖水駅からソウルスプまでの空間で、41のビューティーブランドを展示するさまざまなオフラインポップアップストアを展開する。
業界関係者は「オリーブヤングがCJグループの成長エンジンとして注目されている中、ムシンサも強力な競争相手として急成長しており、聖水地区でビューティー事業を巡る激しい競争が繰り広げられるだろう」と予想している。
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