
韓国では4月に入ったばかりにもかかわらず、異例の初夏の陽気が続いており、食品業界は早くもアイスクリームの販売競争に突入した。11月まで夏のような天気が続くとの予測や、3月に記録的な高温を観測した地域が出たことが背景にある。
業界ではビングレとロッテウェルフードの2社が市場シェアの約8割を占め、激しい競争を繰り広げている。2023年のシェアはビングレが28.1%、子会社のヘテアイスを含め42.6%で首位。ロッテウェルフードは39.8%で2位だった。売り上げの約70%が第2・第3四半期に集中するため、両社は今月から本格的なマーケティングに乗り出している。
今年は「ゼロシュガー」「低糖質」などの健康志向が本格化している。ロッテは「完全なゼロではなく糖質削減と健康素材の活用」に重点を置き、「バニラ」や「ミルクチョコ」の低糖版で最大85.7%の糖質削減を実現。ビングレは3月に低糖ブランド「Deep&Low」を立ち上げ、代替糖アルロースを使用した低糖アイスを発売した。
また、ビングレ傘下のヘテアイスはスポーツマーケティングに注力している。2月にはKBO(韓国プロ野球機構)と2025年リーグの公式スポンサー契約を結び、代表商品「タンクボーイ」とKBOの名称の語呂を活用したプロモーションを展開している。KIAタイガースとの提携では広告映像や応援ソングの制作も進めている。
さらに、既存ブランドのリニューアルや形状変更による新製品も続々と投入される見込み。2023年のアイス小売市場規模は1兆4456億ウォン(約1600億円)で、前年比1.3%増。過去3年の平均成長率は2.5%と、地球温暖化の影響もあり堅調な成長を見せている。
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