
韓国の先端科学技術を牽引する4大科学技術院(KAIST、GIST、UNIST、DGIST)が、2027年度から人工知能(AI)に特化した「AI単科大学」を本格的に設置・運営することが分かった。学士課程(学部)から専門人材を集中的に育成する狙いだが、先行して開設された大学では定員割れも起きており、見切り発車による「質の低下」を懸念する声も出ている。
各技術院が発表した2027年度の入学要項などによると、GIST(光州科学技術院)、UNIST(蔚山科学技術院)、DGIST(大邱慶北科学技術院)の3校が27年度から「AI単科大学」を新設する。これに伴い、各校の入学定員も100人ずつ増員される。
この取り組みは、韓国の科学技術情報通信省が進める中核AI人材育成事業の一環。イ・ジェミョン(李在明)政権が25年11月に閣議決定した「科学技術×AI国家戦略」に基づき、同年12月にKAIST(韓国科学技術院)で初めて開設された。今回はこれに続く動きとなる。
新設される地方の各校は、地域の主要産業と連携した教育を模索している。例えば、DGISTは近隣に整備される「大邱国家ロボットテストフィールド」を活用し、ロボット工学とAIを融合させた「フィジカルAI」に重点を置いたカリキュラムを企画中だという。
一方で、課題も山積している。すでに各校には電算学部やAI大学院などの既存の専門コースが存在しており、新設される「AI大学」がどこまで独自の教育価値を示せるかは不透明だ。科学技術界からは「かつて技術トレンドに合わせて乱立し、形骸化した『ソフトウェア学科』の二の舞いになりかねない」との批判も根強い。
実際、先行したKAISTでは、急な設立だったためにカリキュラムや教員、行政要員の確保が追いつかず、最初の募集での志願者が定員100人に対しわずか12人(約12%)にとどまる事態を招いた。
2027年度に新設を控える3校も、現時点で具体的なカリキュラムや教員陣を確定できておらず、KAISTの失敗が繰り返されるのではないかとの指摘が出ている。ある科学技術院の関係者は「運営開始に向けてカリキュラムの準備を急いでいる。学生が問題なく学べる環境を整えたい」としている。
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