
中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇が続く中、韓国の農漁村が深刻な打撃を受けている。燃料費や資材費の高騰により、現場からは「限界に近い」との声が上がっている。
慶尚北道・盈徳で漁業を営む関係者は、「ズワイガニを1日100万ウォン(約11万円)分売っても、燃料費と人件費を差し引けばほとんど残らない」と訴える。すでに操業を中断した漁業者も出ているという。
免税油の価格も上昇が続いている。燃料情報システムによると、免税ガソリンは1リットル当たり1240ウォン台と、1カ月前より12%以上上昇した。漁船用ディーゼルはさらに高騰し、1ドラム(200リットル)当たり約27万ウォン(約2万9700円)と、1カ月で約60%上昇した。
大型漁船団では1カ月に1500ドラム近くを消費するため、負担は極めて大きい。
農業分野でも影響は深刻だ。野菜農家は「経費は上がるのに、農産物価格は追いつかない」と苦境を訴える。
イチゴ農家からは、輸入に依存する資材価格の上昇や物流費の増加により、発泡スチロール容器の不足が起きているとの声も上がる。
肥料価格も急騰している。韓国は肥料原料である尿素の約40%を中東から輸入しており、輸出価格は前年の約2.7倍に上昇した。
専門家は、仮に中東で一時的な停戦が実現しても、供給不安が解消されない限り原油価格の急速な安定は見込みにくいと指摘する。
さらに、戦争が長期化すれば、サバやイカなど水産物価格の上昇につながる可能性もあるという。
こうした状況を受け、電動漁船など代替エネルギーの導入を含めた中長期的な対策の必要性も指摘されている。
政府は農漁民向けの補助拡大を進めているが、現場では「支援だけでは追いつかない」との見方が強い。
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