
韓国の子ども・青少年の生活水準は物質的には改善しているものの、精神的健康や社会的関係の面では悪化し、「心の病」が深刻化していることがわかった。
国家データ庁・国家統計研究院が10月1日に発刊した「子ども・青少年生活の質2025」報告書によると、相対的貧困率は過去最低水準に下がり、父親と共に過ごす時間が増加するなど明るい変化もあった。しかし一方で、ストレスや不安感の上昇、いじめやスマートフォン依存の増加といった否定的な指標が相次いで示された。青少年の生活満足度は経済協力開発機構(OECD)37カ国中、下位5位にとどまった。
報告書によれば、2023年の青少年相対的貧困率は8.6%で統計開始以来最も低い数値を記録し、住居環境も改善。しかし、中高生のストレス認知率は42.3%に達し、特に女子生徒は49.9%と男子(35.2%)より14.7ポイント高かった。また、広汎性不安障害の経験率は14.1%と増加傾向を示した。
いじめの被害経験率も2022年の16.3%から2024年には22.6%へと急増。特に小学生の被害率が31%で最も高く、言葉による暴力が最多だった。さらに、スマートフォン依存も深刻化し、2024年には小学生の37.3%、中高生の約4割が依存傾向にあることが確認された。
一方で、父親と過ごす時間は2015年の8.8時間から2024年には10.9時間へと増加するなど家族関係の改善も見られたが、悩みを打ち明けられる相手がいると答えた青少年は2019年の90.1%から2023年には83.7%に減少。
主観的な生活満足度はわずかに改善したものの、韓国の15歳青少年の満足度はOECDの調査で後ろから5番目。6点以上と回答した割合は65%で、英国やポーランドと同水準だが、オランダ(87%)、フィンランド(82%)、デンマーク(81%)といった上位国との差は大きい。
国家統計研究院のキム・ジン院長は「本報告書の結果が、子どもと青少年の生活と権利保障に対する社会的関心を高め、政策づくりに反映されることを期待する」と述べた。
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