2025 年 12月 5日 (金)
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韓国の防衛産業が中東に本格進出…UAEなどと連携強化、現地化戦略も推進

砲撃するK1A2戦車(c)NEWSIS

ロシアによるウクライナ侵攻を契機に受注が拡大していた韓国の防衛産業が、2025年は中東市場への進出を本格化させている。韓国の防衛関連企業は、アラブ首長国連邦(UAE)など中東諸国の国営企業と連携し、現地化戦略を積極的に展開している。

防衛業界関係者によると、2025年3月末時点で韓国の主な防衛産業企業4社(ハンファ・エアロスペース、現代ロテム、LIGネクスワン、韓国航空宇宙産業=KAI)の受注残高は、約100兆ウォンに迫っている。

このうち、ハンファ・エアロスペースの防衛分野の受注残高は30兆9959億ウォンに達し、子会社のハンファ・システム(別途管理)の受注残高も8兆1850億ウォンにのぼる。KAIは26兆2700億ウォン、LIGネクスワンは23兆4271億ウォン、現代ロテムは10兆7897億ウォンだった。

これらの企業は、欧州の防衛企業に比べて供給スピードで優位に立っており、短期間での納品が可能な点が評価されている。世界的な防衛装備品の供給不足に対応できる点が強みとなっている。

加えて、UAEをはじめとした中東諸国との新規契約への期待も高まっている。韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領がUAEを訪問した際、総額300億ドル規模の投資協力が約束されたことが背景にある。

大統領室の関係者は「UAEのムハンマド大統領が最も関心を持っていた分野は防衛であり、現時点で詳細は明かせないが、両国間の協力ニーズは明確に確認された」と話している。

企業側の現地化戦略も進んでいる。ハンファ・エアロスペースはサウジアラビアに新たな法人を設立したほか、UAEの国営防衛企業EDGEグループと、防衛分野での共同投資・開発に関する覚書(MOU)を締結した。さらに、UAE国営造船所ADSB(アブダビ造船)との協力により、大型商船の修理や無人艦艇の共同開発・生産、大型艦艇の設計・建造など、造船分野での連携も拡大する。

韓国航空宇宙産業(KAI)も、EDGEグループ傘下の「プラットフォーム&システムズ」と戦略的協力協定を結び、固定翼・回転翼機、無人機、有人・無人複合システム、整備・運用(MRO)事業など多様な分野での連携可能性を模索している。

一方、LIGネクスワンはUAEの防衛企業カリダスと合弁会社(JV)を設立することで合意した。次世代防空システムの共同開発およびUAE国内での生産ライン構築などについて協議しているという。

防衛業界関係者は「韓国の防衛企業は供給スピードの優位性を活かした現地化戦略を通じて、世界市場でのプレゼンスを高めている。需要が増加し供給の空白が発生している中東市場で、代替供給者としての地位を築いていくだろう」と述べた。

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