2025 年 7月 29日 (火)
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韓国の銃撃事件、警察の初動対応に重大な疑義…遺族に「加害者説得」要求の疑いも

7月21日、銃撃事件が発生した仁川・松島国際都市のマンションに出動した警察の捜査官(c)news1

韓国仁川市松島で起きた自作銃による殺人事件をめぐり、警察の初動対応に対する批判が高まっている。現場指揮官の不在や対応マニュアルの無視に加え、被害者の家族に対して「加害者を説得せよ」と要求したという常識外れの指示疑惑も浮上し、波紋を広げている。

事件は7月20日午後9時31分、「舅が夫を銃で撃った」という緊迫した112通報から始まった。だが、警察が特殊部隊を投入してマンション内部に突入したのは、通報から70分後の午後10時40分だった。その時点で被害者はすでに死亡していた。

現場には実質的な指揮官が不在だった。状況管理を担当する警部補は現場に出動せず、警察署の状況室から無線で指揮したとされる。警部補は「防弾チョッキの着用を指示し、住宅構造も確認した」と主張しているが、現場では扉が銃撃で損傷していたにもかかわらず開けられず、携帯電話の位置追跡や監視カメラの確認も、加害者が逃走した後になってからだった。

さらに大きな問題として浮上したのが、被害者家族に対して下されたとされる指示だ。当時、被害者の妻は幼い子どもと共に部屋に避難し、112(日本の110番)に3回通報し、現場の警察官と4回通話したという。この過程で、警察が妻に対し、舅に撃たれた夫を外に連れ出すよう説得してみてはどうかと求めたという疑惑が持ち上がっている。

この件に関し、仁川警察庁の関係者は「事実関係を確認中」とし、明確な回答を避けた。

専門家からは「事件直後で恐怖に震える被害者に対して、加害者の説得を求めるのは極めて危険で非合理的な対応」との強い批判が出ている。

警察庁の監察担当官室はこの事件に関する真相調査を開始した。警察関係者は「現場での初動措置に不備があったかどうかを綿密に検証する」と述べている。

容疑者の男は、自作銃で息子を殺害した疑いが持たれている。警察は男の自宅からシンナーや洗剤などの可燃性物質15点と点火装置を押収しており、爆発物設置未遂の容疑についても追加で捜査している。

(c)news1

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