韓国で先月31日、50代の男性が光明駅の切符売り場で環境美化員が使うスクラッパー(床からガムなどを取り外す掃除道具)を振り回し、2人の乗客を負傷させた。幸い、2人は軽傷だった――韓国ではこのように鉄道に絡んだ犯罪が増えている。今年1~7月に鉄道駅舎や車両内で発生した件数は計1643件だった。
鉄道特別司法警察隊の資料によると、このうち性犯罪が505件で最も多かった。4月に湖南線のムグンファ号の車両内で、70代の男性が隣の座席の被害者にセクハラをした。また、中央線のムグンファ号の中では、70代男性が隣の席に被害者がいるにもかかわらず、公然とわいせつな行為をした。
次に多かったのが暴力で、305件発生した。今年4月に男性が肩のぶつかった被害者の胸ぐらをつかんで暴行した事件が代表的だ。また、京釜線のSRT内では50代の男性が検札を要求して騒ぎ、被害者がこれを制止すると被害者の首を押さえる事件も起きた。
このほか窃盗(256件)、鉄道安全法違反(92件)、傷害(52件)、財物損壊などその他(432件)――の順だった。殺人や殺人未遂も1件含まれている。
鉄道犯罪は最近急激に増加している。2018年2093件、2019年2459件、2020年2198件、2021年2136件――だったが、昨年は3075件に跳ね上がった。今年1~7月の犯罪件数が1643件である点を考えると、今年は昨年と同水準かさらに多くなる見通しだ。
これに伴い被害者数も増加傾向にある。今年1~7月の傷害被害者は39人、暴行被害者は200人に迫った。暴力・傷害件数が最も多かった昨年は、それぞれの被害者数が49人と300人だった点に照らしてみれば、今年は多数の被害者、事件が発生するものとみられる。
今年1~7月に性犯罪が最も多く発生した駅は往十里駅(28件)だった。窃盗は釜山駅(32件)、暴力は水原駅(9件)、傷害は龍山駅(6件)だった。
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