韓国で今年から警察公務員の、名誉退職(早期退職する場合、定年までの給与の一部を一括支給する制度)に新たな条件が追加され、警察組織内部で名誉退職を希望しても対象者に選ばれないという懸念の声が高まっている。
警察庁は最近、2024年第1次定期名誉退職希望者申請受付を案内した。申請対象は公務員年金法上、公務員経歴20年以上で、名誉退職日の時点での定年残余期間が1年以上の職員だ。
公文書には「名誉退職制度は予算範囲内(年間均等な機会提供)で法令上定められた基準(上位職、長期勤続順優先考慮)により運営」「また申請人員や人材需給などを総合的に考慮するものの、重症疾病のようなやむをえない理由を厳格に審査後決定」などの説明がついた。
昨年まで、定期的な名誉退職希望者の申請受け付け案内には、申請対象と期間などだけ告知された。ところが、今年から、対象者選定についての詳しい説明が追加され、一線警察の間では申請人員が集中する場合、名誉退職が拒否されたり退職金を受け取れなかったりするのではないかという声が出ている。
さらに、昨年下半期の予算不足問題で名誉退職申請を受けなかった前例があり、懸念がさらに大きくなっている。警察は通常、毎年偶数月(6回)、定期申請と随時申請を受ける。申請は12月31日までOKなのに、昨年は予算不足を理由に申請回数を4回に制限し、8月31日で締め切った。
警察内部ネットには仁川(インチョン)庁所属の警察官を名乗る人物が「1月初めに本庁から通達された名誉退職実施公文書には、例年になかった『均等な機会の提供』という内容が追加された」と指摘したうえ「ただでさえ不足する予算を回ごとに分けて執行すれば、予算はさらに少なくなる。最近の名誉退職増加推移から見ると、在職期間が20年を超えて名誉退職要件を備えたばかりの申請者は『上位階級、長期在職順』という名誉退職金支給規定により名誉退職が不可能になる」と話した。
別の警察官は「他の一般職公務員は名誉退職制限を設けているのか知りたい。過去には制限がなかったが、現在は制限を設ける理由が理解できない」という反応を示した。
これに対して建国(コングク)大警察学科のイ・ウンヒョク教授は「名誉退職するという需要と退職金を支給できる条件が不均衡な状況だ。予算策定がうまくいかなかったり早く組織を離れたがっている人が多くなったりしているということだ。お金の問題ならば政府は責任感を持って、正確な予測を通じて法制度の中で名誉退職に関連した予算を確保すべきだ」と指摘する。
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