韓国国内の蒸留式焼酎の販売伸び率は下がったものの、市場シェアは3年で3倍以上増加したことがわかった。
国税庁の統計年報によると、蒸留式焼酎の販売伸び率は2022年の43.6%から2023年は5.7%、2024年上半期には4.8%と減速しているが、市場シェアは3年間で3倍以上拡大し、2022年の約1%から2024年には約3~4%に達した。新型コロナ禍で「2次会文化」が減少するなど、飲酒トレンドの変化が背景にあると分析される。
国内の蒸留式焼酎市場では、ブランド「火堯(ファヨ)」がシェアの56%を占めて1位を維持している。これを追うのが韓国の大手飲料メーカー、ハイト眞露の「一品眞露」だ。一品眞露は市場の停滞が続く中でも2024年上半期に売上成長率20%を記録するなど、勢いを見せている。同社は、蒸留式焼酎のアルコール度数や味のバリエーションを広げ、消費者の選択肢を増やしたことが成長の要因だと説明している。
一方、韓国の飲料大手ロッテ七星飲料は2024年初頭に蒸留式焼酎「ヨウル」を発売したが、市場での存在感は微小にとどまっている。主な要因として、投資資源の分散が挙げられる。同社は2023年11月に発表した新ブランド「クラッシュ」の大規模なマーケティング活動が期待ほどの成果を上げられず、蒸留式焼酎への集中投資が難しかったとの分析がある。
火堯は海外市場での成功も目立つ。今年第3四半期には前年同期比で約30%の輸出額増加を達成した。これは今年就任したチョ・ヒギョン代表が米市場での流通拡大とマーケティング強化に注力した成果だという。特に、火堯は先月、人気アーティストG-DRAGON(ジードラゴン)と、世界的プロデューサーであるファレル・ウィリアムスが共同で開催した美術イベントに公式パートナーとして参加し、大規模なアートマーケティングを展開した。
業界関係者は「飲酒文化の変化によって蒸留式焼酎の人気が高まっている。今後もこの傾向は続くとみられ、企業間の競争がますます激しくなるだろう」との見解を示している。
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