新型コロナウイルス感染防止のためのソーシャルディスタンス解除により、韓国の若いサラリーマンに、ある懸念が持ち上がっている。パンデミック期間中、仕事が終わったあとに自分の時間を楽しむという習慣が、「旧時代的な会食文化」の復活によって奪われかねない、というものだ。
「ソーシャルディスタンス解除により、嬉しさよりも心配が多い」。ロイター通信は28日、韓国の会社員(29)のこんな言葉を紹介した。同時に、韓国の若いサラリーマンの多くが、会食を「社員の個人的な時間を奪う旧時代的な会社文化」と考えているとも指摘している。
ある会社員はこんな話をしているという。「会食は『無給』という点を除けば、働いているのと同じ。仕事が終わったあとの会食の最も悪い点は、いつ終わるのかわからないこと。いざ、お酒を飲み始めると『終わってみて初めて“終わった”とわかる』まで飲む」
また、ある公務員は「昼休みに開かれる食事会は午後1時には終わるとわかる。だから嬉しい。会食文化が変わってほしい」と訴えている。
淑明(スンミョン)女子大マーケティング学科のソ・ヨング教授は同通信の取材に次のような見解を示す。
「退勤後の会食に対し、若い社員の不快感が高まっている。にもかかわらず、多くの先輩社員は依然、同僚との絆を深めるために、このような集まりが必要だと信じている。ソーシャルディスタンス解除により、会食や週末の集まりの文化は戻る。だが以前のように頻繁に開かれることはないだろう」
ロイターが報じた採用ウェブサイト運営会社「インクルト(INCRUIT)」の調査結果によると、回答者の80%が「パンデミック期間中に自社の食事文化が変わった」と答え、95%がこれに満足しているという。
ロイターによると、SKテレコムのように、職員が在宅勤務をするのか、出社あるいは会社が指定した外部オフィスで分散勤務をするのか、決定させる企業も増えているという。同社関係者は「職員がどこで仕事をしているのか、どれほど頻繁に事務室に来るのかは重要ではない。仕事の効率が上がればよい」と話している。
©MONEYTODAY